2012年1月29日日曜日

共同、協同、協働

最近授業を参観して、学び合い、グループ学習に課題があると感じた。
どの段階で、なにをねらって取り入れるのかなど、とらえ方がまちまちであると感じる。
 そこで、いくつかの本をもとに、グループ活動・協働学習について考えてみた。

 はじめに、「きょうどう」という用語について考えてみた。「きょうどう」には、以下のように3つの漢字がある。

「共同」…小集団で課題を分担して作業を行うこと。
「協同」…集団内で成員同士が目標を達成するような相互行動である。
「協働」…小集団として何かを共有していくこと。

 わたしたちが、最終的に目指しているのは「協働」であろう。「共同」や「協同」は、作業の均一な配分とか成員の均質性を前提とするが、「協働」は、成員間の異質性、活動の多様性を前提とし、異質な他者との相互作用によって成立する。英訳するとイメージがぴたりとくる。協働学習は「collaborative leaning」である。

 「協働学習」の背景には、学習を社会的なもの、文化的なものとみなす学習観があり、そのベースにはヴィゴツキーの理論「最近接発達領域」があると考えられる。「最近接発達領域」とは、子どもが自力で問題解決できる現時点での発達水準と他者からの援助や協力によって解決可能になる、より高度な潜在的発達水準の間の範囲のことであり、この領域に働きかけけることで、現時点での発達水準を引き上げるとともに、潜在的な発達水準を広げることができるというものである。つまり、子どもは一方向的に教育をうけるのではなく、相互作用をとおして自らの最近接発達領域を形成し拡張していくとみなされる。そこから、相互作用としての学習のモデルが生まれてくる。
 「協働学習」には、児童の理解を深めるだけでなく、自分の考えを作り出す、学習への参加意識を高める、児童の人間関係を築くなどの意味があるように思われる。つまり、一斉授業の欠点を克服する意味があるように思う。さらに理解という点に視点をあてて考えると、①説明や質問をすることで自己の不明な点が明らかになることでより深く理解できる、②相手の反応等を手がかりに、自己の思考をモニタリングできることがあげられる。そして、参加意識が高揚し、グループ意識が高まることによって、たとえ聞き役になり、発言していなくても正答率は変わらないという研究結果も出ている。

 さらに、協働による理解深化機能について「互恵的教授法」という活動の効果が紹介されている。研究(観察)詳細については省略するが、①ペアで相手に伝えたり、質問されて答えることで理解が明確になる、伝えるために具体例を出してみることによって、抽象的に理解していたこと具体例がつながり、理解が深まること、②教えたり説明した側の子どもだけに効果があったのではなく、教えられる側の子が教える子にヒントを求めたり、一生に解いてもらったりして相手の行動や話を見聞きする過程で、教えられる側の子どもも適切な援助をうけ理解を深めることが期待できる。
 しかし、この場合で重要なことは、「わからないときに相手に援助を求められる雰囲気や質問できる能力」であるといわれている。これも観察から明らかになっており、問題解決を尋ねられたときに、わかっている子どもが答えだけを教えた場合は、質問して教わった側はその後に類似問題を解いても解くことができず、教わっただけでは問題解決を修得しないことが明らかになっている。質問した子どもが納得するまで解決過程の説明援助をわかる人から受け続けること、受けられるように求めていく意思や行動が必要である。また、解き方を教わっても、その時は解けるようになっても、それだけでは効果は持続せず、類似問題を解いてみることで効果が持続するという結果も得ている。
 これらの結果から、解法を理解するまで質問などの援助を求め続ける援助要請が大切であうこと、また説明を受けたままでは効果がなく、もう一度その解法を自分で利用することが有効であることを示している。他から援助を受けられない子は、納得できるまで質問したりその知識を活用して見たりする経験がないため、意思も技能も持ち得ない。繰り返すが、その技術を身につけることが重要である。
 さらに、別の観察であるが、少数の大小を判断する問題を、1人でとくと42%の正解であったが、2人でとくと75%の正解があったことを報告している。しかし、しばらくして事後テストを行うと解けなくなっている子もいることを報告している。納得できなかった子や説明しても相手が同意してくれないと解けなくなるようである。

 つまり、結論は簡単なこと。グループ活動では、わからない子どもが、わからないときに相手に援助を求められる「雰囲気づくり」や「質問できる能力」を身につけさせることが重要であることがわかる。わからない子どもが活躍することが必要であり、まず、わからない子どもが真っ先にわからないことを発言することが必要であろう。わからない子どもがお客さんになることは許されない。また、こういう子どもを育てるためには、援助要請や援助の与える際の具体的な方法のモデルを、教師が一斉授業の中で示すことが生徒が相互にそれを使ってみるためにも必要と言える。
 
 結局は、当たり前のことがわかっただけなのですが、改めて再確認できました。

2012年1月23日月曜日

掃除サボリの教育学

【今日の本】
「新版 掃除サボリの教育学 〜たかが掃除 されど掃除〜」家本芳郎:著 池田 修:監修 学事出版:刊
 1988年に出版された本の再版である。同じく「忘れものの教育学」という本も、1989年に出版されていた。実は2冊とも持っているのであるが、新版ということ、そして、なによりも子どもたちが掃除をまじめにしなくなったことから、なにかよい策がないかと思い、書店で見つけて、思わず買ってしまった。
 本は少しだけ大きくなり、薄くなったため、すぐに読むことができる。内容については、旧版と同様で、あまり参考にならなかったというのが感想である。指導の基本的な考え方が書いているわけだが、具体的な取り組みは中学校の取り組みであることもあり、あまり参考にならない。管理教育に対する批判が中心か。「日常罰」を見直すということ、「シール教育」も日常罰であるという指摘はそのとおりである。罰を与えず、いかに自主的に取り組ませるかということが中心の内容である。
 しかし、考えてみると、そんな古い本がかなりあるわけだが、本当にそろそろ整理しないといけない。古典ともいえるようないい本もあるが、さすがに20〜30年前となると、残しておいても仕方ないかなあ。でも、いざとなると捨てられないものなんだなあ。右の写真の本棚が主に古い本が置いてある本棚。また、この3〜4倍はある。雑誌もなかなか捨てられない。かといって、教育書は「BOOK OFF」も引き取ってくれないしなあ。資源回収に出すしかないかなあ。

2012年1月22日日曜日

ルフィーの仲間力

【今日の本】「ルフィーの仲間力」安田 雪:著 アスコム:刊

 「三つのお願い」の授業のネタになった本。その時は、一部しか読んでいなかったので、やっと全部読み終えたということです。ルフィーの夢は何か?ということを話すときに一部使わせてもらいました。
ルフィーが戦っているのは、仲間をつなぐ夢を壊すものです。そして、ルフィーたち仲間をつないでいるものが夢です。ルフィーは、自分たちの夢を壊す者、笑う者と徹底的に戦っているのです。仲間とは、一人ではかなえられない夢を共有する人ともいえます。また、仲間とは「次の日も、その次の日も、一緒にいることを疑わない」ものといえます。自分には、「明日も、あさっても一緒にいたい。守りたい」と思える人がまわりにいるか、また、自分自身が誰かにとってそういう存在か、そんなことを提起しているように思えます。ゼノビアとビクターはそんな関係だったのだと思います。ONE PIECEの仲間たちはそれぞれに夢を持っていますが、ルフィーの「海賊王になる」という夢を共有していれば、いずれ一人一人の夢もかなう関係になっています。
夢以外にも、ルフィーに学ぶことはあります。ルフィーが、相手の姿・形にまったく偏見をもたないことです。ルフィーは普通でないことはおもしろいこと、相手の個性であり、魅力と感じるのです。友だちの容姿で仲間はずれやいじめを繰り返す子どもたちは、こんなところをどうも思って見ているのでしょうか。
さらに、この本には、強いチームをつくるための三つのことという章があります。それは、次の3つです。 ①共通目的 ②コミュニケーション ③貢献意欲 参考になります。

【DVD】
正月前後、いろいろな映画をDVDでみました。
「星守る犬」
※西田敏行、玉山鉄二、川島海荷出演。
「高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」
※本も読んだし、アニメも見たので、レンタル。中学生にもわかるドラッガーの入門作  品といえる。前田敦子が普通すぎて、その普通すぎさがかえっておもしろい。 
「萌の朱雀」「殯の森」
  ※河瀬直美監督作品 尾野真千子さんが出演してる作品。たまには真面目な作品   も。でも、少し暗い。かなり。
「ブリザード」
※サスペンス好きにはいいかも。遭難した山小屋で復讐殺人が。夏帆がこわい。
 これ以外にも、アニメを数本。しかし、音楽にしても、映画にしても、パソコンで聞いたり見たりするようになって、じっくり来たり見たりすることが少なくなった気がする。「iTunes」のなかには、230GBを越える音楽が入っていて、全部聞くためには70日以上かかる計算になる。もちろん、落語や講演会のデータも入っているわけだが、そのうち、じっくり聞くものはどれくらいあるのか。一度しか聞いたことのないもの、一度も聞いたことのない曲もあるだろ。整理も必要かなあ。

2012年1月19日木曜日

三つのお願い 授業記録3

【三つのお願い 授業記録3】感想文から

夢について書くに当たって、夢は自分のためだけのものじゃつまらないこと、そして、夢が誰かを幸せにするものなら、具体的に誰をどのように喜ばせるのかを想像して書くことをもとめました。たとえば、10年後、夢がかなった場面を想像して書くということです。これには、子どもたちは興味をもったのか、ととえも意欲的に取り組んでいたようでした。子どもたちの感想を紹介します。

1 夢が変わった!夢の理由が変わった!
・動物園をつくって、子どもたちに「ありがとう」を  言ってもらう。
・お父さんやお母さんを旅行に連れて行って、喜んでも らいたい、喜ぶ顔を見たい。
・やはり、それは、魔法使いになることです。でも、理由は変わりました。その理由は、 魔法使いになって、いろいろな人のお願いをかなえたり、自分や家族の夢をかなえたり したいからです。例えば、足の病気で苦しんでいる人に、足の病気が治るようにお願い をかなえてあげて、走ったり、遊んだりできるようにしてあげたいです。足の病気を治 してもらえた子は、足の病気が治って喜んでいると思います。
・そこで、もう一度、将来の夢について考えました。わたしの一番の夢は、トリマーにな ることです。この夢は、たぶん二年生のころから変わっていません。わたしは、二年生 のときに、ペットショップにくるみを買いにいったとき、トリマーという仕事があるこ とを知りました。そのとき、トリマーさんは、「かい主さんを喜ばせたい。」と言って いました。わたしは、そのトリマーさんの言葉を聞いて、トリマーになりたいと思いま した。
・みんなぼくのことを子どもたちが見て、この人すごいなあと思って、野球が好きになっ て、プロ野球選手になって、かつやくしてもらいたいです。
・家に帰って、次の日に、青郷小学校のグラウンドに行ったら、子どもたちが野球をして いました。そして、ぼくは、しばらくしてコーチになりました。ぼくは、ヒットを打っ たことのない子のところへ行き、その子にバットスイングの仕方とか、ボールをよく見 るようにと教えました。その子が、ぼくに「コーチ、ありがとう。」と言ってくれたの で、とてもうれしくなりました。
・プロ野球選手になって、キャッチャーになって、かつやくして、かんとくを喜ばして、 有名になりたいです。そのためには、今、野球の練習を真けんにしています。
・そして、本当にうく車が発売されました。その車はいっぱい売れました。この車を買っ た人は、すごく楽になって、喜んでくれて、ぼくに「ありがとう。」って言ってくれま した。ぼくは、うれしい気持ちになったり、買った人の笑顔が見られてよかったという 気持ちになったりしました。

→ 考えてみて夢が変わった子、夢は同じでもみんなの笑顔につながるような夢に変
  わった子がたくさんいました。プロ野球の選手をめざす子たちは、最初はお金もうけ  をして・・・・という夢でしたが、コーチになって、打てない子の指導をするなどに  変わっています。「『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメン  ト』を読んだら』」を思い出してしまいました??「マネージャーの資質は、才能で  はなく、真摯さである。」子どもたちはまじめに、誠実に考えていたように思いまし  た。(少し大げさか?ふと、思い出したので。)



2 震災や津波について考えた! 
・それは、ファッションデザイナーになることです。中略。まだ、わたしが大人になって もしんさいで悲しんでいる人がいるのなら、服でその悲しいことを全部とは言わないけ どわすれて、笑ってほしいです。そして、がんばってほしいです。
・タイムマシーンで未来に行きました。そして、三十二年五月十日ごろ、大地しんがおこ るということが分かりました。急いで、今の時代にもどって友達に言った・・・。

→ 3.11大震災をうけて、大震災のことが頭から離れない子どもたちは、作文の中にこん  なことを書いてくれました。子どもたちは子どもたちなりにいろんなことを考えてい  るんだなあと感じ、うれしくなりました。



3 夢についての考えが変わった!
・物語を読んで、ぼくは、自分のためだけの夢じゃなくて、みんなのための夢をした方が よいということがわかりました。
・しかし、このお話を読んで、お願いや夢は、自分のことだけじゃなくて、みんなのため にあるものだということが分かりました。そこでもう一度、将来の夢について考えまし た。
・今までをふり返ると、自分だけの夢はつまらないんだなあと思いました。だから、これ からは、友達、家族なども喜ぶ夢、願い、そして、その人たちを大切にしたいです。
・わたしは、読む前と読んだ後で自分の考えは変わりました。読む前は、大金持ちになる ということだったけど、あの「三つのお願い」を読んで、自分はみんなのために役に立 ちたくて、こんなにみんなの笑顔が見たかったんだなあと思って、びっくりしました。 どうしても、この夢をかなえたいからがんばりたいです。そして、物語を読んでまた夢 について考えてみて、自分の考え方はみんなのためにということが自分の中にあったと 思います。私の考え方はあっている、自分を信じてやっていきたいです。大金持ちにな りたいと思うのもいいけれど、将来のことを考えて、そしてみんなの幸せのためにがん ばって見るのもいいなあと思いました。
・読む前のわたしは、夢は自分のためだと思っていたけど、具体的に考えてみると、たく さんの人を幸せにできるんだと思いました。わたしは、夢についてまた考えて、初め考 えたときは、自分のレストランを開いて、大金持ちになるんだと思っていたけど、本当 に本当に考えてみて、やっぱり大金持ちにならなくても店を開くことができて、たくさ んの人がやって来てくれたら、幸せなんだなと思いました。この夢をかなえるために、 これからも料理の練習をしたいです。
・このお話を読む前は、自分だけの夢だけかなえたらいいと思っていたけれど、読んだ後 は、自分とみんなの夢をかなえたいと思うようになりました。理由は、ぼくの夢だけが かなっても、みんなの夢がかなわなかったら意味がないので、ぼくの夢がかなったら、 みんなの夢もかなえたいと思ったからです。
・ぼくは、夢について考えて、最初は、自分だけのための夢だったけど、みんなのための 夢に変わりました。
・この話を読む前は、夢なんてかなうわけないと思っていたけれど、読んでみると、本当 に夢がかなって、すごいと思いました。最初は、足がはやくなりたいと思ったけど、考 えてみたら、みんなが喜ぶ夢の方がいいと思うようになりました。
・夢について考えて、自分の考え方が少し変わりました。夢はいろいろあるけど、その一 つを選んで、将来の自分を予想するのは、むずかしかったです。でも、このお話を読ん で、自分の夢を考えるのはかんたんになったと思いました。
・物語を読んで、また、夢について考えて、自分の考え方が変わったかというと、いろい ろな人がいるし、個性もあるし、みんなちがうし、だから、考え方もちがうし、だか  ら、自分のためだけに使う人もいれば、ほかの人のために使う人もいることがわかりま した。そこが考え方の変わったところかなあと思うところです。

→ もちろん教師の指導があることは前提です。多少は、いやかなりの部分で考え方   に影響を与えていると思います。でも、子どもたちは真剣に考え、こう思っているの  だと思います。作文を書いている姿からそう感じました。自己満足かも知れません   が。実際、教師の指導といっても、渡邉美樹氏の著書の1ページを読んだことと、ル  フィーの夢について話しただけですから。やはり、子どもたちが素晴らしい。


4 友だちについて考えた!
・わたしは、この話を読む前は、友達がそんなに大事じゃないと思っていたけど、読んだ 後はとても大事だと思いました。これからも、友達を大切にしたいです。

・それから十ヵ月後。店にはだれも来なくなりました。そこに、一人の友達がやってきま す。来てくれたお礼に、たくさんのごちそうを作り、久しぶりに話もしました。
友達が帰るころ、友達は、「おいしかったよ。最高だったよ。」と言ってくれました。 わたしも、「わたしもだよ。来てくれてありがとう。」と言いました。とてもうれしく て、友達が帰ってからも、心があたたかいままでした。

・私が二十才になると、前からお母さんに言っていた、「自分のレストランを開きたい」 という夢がかないました。開店の日にわたしは、昔、仲が良かったクラスのみんなをよ んで第一号のお客さんになってもらい、楽しくすごしました。つぎの日は、全然お客さ んが来ませんでした。でも、クラスのみんながチラシを配ってくれていて、その後は大 はんじょう!お母さんにも手伝ってもらいました。一人で料理をしていてもおもしろく なかったけど、お母さんが手伝ってくれてから、とっても楽しくなりました。お母さん は、いつもニコニコ楽しそうでした。そして、アルバイトをぼしゅうすると、五人入っ てきました。その子達は、明るく元気で店の中はいつも明るく、楽しかったです。そし て、悲しそうに店の中に入ってくるお客さんも、そのふんい気に最後はニコニコ顔に  なって帰っていきます。来たお客さんは、みんな、「ありがとう!また来るね!」
と言って帰ってくれます。その後、店は全国に何てんぽも建ち、大はんじょうしまし  た。

 → 子どもたちの作文には、たくさんの友だちが登場しました。上の感想文では、夢が  破れそうになったとき、友だちが助けてくれる内容です。こんな風に考えられるこ   と、このことが素晴らしいと感じます。心温まる内容です。こんなふうにみんなのこ  とを思っているんだよということがわかれば、きっといいクラスになると思いま    す。このほかにも、いくつもあります。作文を読み合ったわけではありませんが、な  んとなく気になって、互いの夢を紹介し合っていたのでしょう。今回はできませんで  したが、本当はこの感想文を発表するとよかったと思っています。このあたりは、発  表したくないという子どももいることから、担任の先生も躊躇しているのですが、学  級の実態を考えると、必要なことに思えます。何点か、発表してもいい子だけでもい  いので、やってほしいと思います。もう少し後押ししてみるかなあ。

5 まとめ
  子どもたちの書いた感想文をワープロで打ち出し、製本して文集にしました。(子ど もには配付していませんが。)ただ、今回の実践での反省点は、感想を書かすことがで きなかった児童が1名いたことです。残念ですが、力及ばずというところでした。これ は、今後の課題として、しっかりとおさえておきたいと思います。
  さて、私たちは、教えることを仕事としています。この「三つのお願い」は国語です から、当然国語の学習内容があります。目標、ねらい、評価規準といったものが必ずつ きまといます。しかし、授業で教えるものは、そうした表のカリキュラムだけではあり ません。
  物語の内容を押さえるだけでなく、そのことをつうじて、何か認識を深めたり、考  え方を広げたりということにも取り組みたいといつも思っています。今回の場合は、  夢とは何かについても考えさせたいと思い、感想文に取り組みました。ある子はこん  な風に書いています。「読む前は、大金持ちになるということだったけど、あの「三  つのお願い」を読んで、自分はみんなのために役に立ちたくて、こんなにみんなの笑  顔が見たかったんだなあと思って、びっくりしました。」自分の本当の思いに気づ   き、それに驚いています。こんな風に子どもたちの心を揺さぶることができたら最高  です。このような感想があると、
  フランスの詩人ルイ・アラゴンは、「教えるとは希望を 語ること。学ぶとは誠実を胸に刻むこと。」といっていま す。子どもたちの前では真摯になりたい。教室で、夢や希 望を語れるようになりたい。そう思って教師になって30 年近くになりますが、今回 久々に授業をしてみて、こん な言葉を思い出しました。といっても、普段は怒ってばか りで反省ばかりの今日この頃ですが。さらにいうと、この ように授業について真面目に、真剣に話すことが本当に少 なくなったと感じています。ただ幸いなことに、私のむず かしい、わけのわからない話につきあってくれる人がひとりだけでもいることを幸いに 感じています(本当は、いやがっているのかも知れませんが?なら、ごめんなさい)。 そことは真面目な話ができるという感じかなあ。大切です。改めて、ご協力ありがとう ございました。

2012年1月16日月曜日

三つのお願い 授業記録2

【「三つのお願い」の感想文】

1 指導の重点
以前に書いたように、本単元のゴールは感想文を書くことであります。感想文について、多くの子どもたちは苦手意識を持っています。苦手というより嫌いという方が正確かも知れません。そこで、感想文を書かせるにあたり、重点として考えたことを書きます。

1点目は、苦手意識の克服です。「ひとつの花」の学習で本の帯をつくることを提示したとき、「すぐやりたい」「おもしろそうだからやってみたい」と思わせたのと同じように興味を持たせたいと考えました。最低でも「それなら何とか書けるかなあ」と思わせたいと思いました。
 2つ目は、夢について考えさせることです。キャリア教育の重要性が指摘されており、常々子どもたちに夢を持たせることは重要であると考えていました。そして、その場合の夢の内容・中身についても指導が必要ではないかと。つまり、自分のためだけの夢はつまらない、人の笑顔や喜びが自分の幸せと感じられるような夢をもったほしいと。この教材を読んだとき、いい友だちがいなくなって淋しいと思い、ビクターを呼び戻すために三つ目のお願いを使う場面に感動することができるなら、そのことを考えさせることができるのではないかと考えたのです。この夢や仕事に対する考え方は、WATAMIの会長である渡邉美樹氏の著作の影響を受けています。また、夢や仲間については、アニメ「ONE PIECE」から学ぶことがたくさんありました。
3つ目に、最後の場面に関係しますが、2人の関係、とりわけビクターの行動から、友だちの大切さ、すばらしさについても考えさせることです。

実際、初発の感想を読んでみると、ほとんどの児童が3つ目のお願いがかなったことや仲直りのためにお願いをつかったことに感動するものが多く、「なんとかやれそう」と手応えを感じました。また、夢についての具体的に書くように促したところ、「よし書いてみよう」と意欲的に取り組む児童が多かったように感じました。くわしくは、感想文を紹介するところで書きますが、思った以上に集中して取り組めました。このあたりは、担任の先生の日ごろの指導の成果なのでしょうね。感謝!

2 感想文の書き方
次に、指導計画ですが、本文を読んでいくことと感想文を書くことのつながりに留意しました。読みは読み、感想文は感想文で別物というのではなく、読み取りの過程で考えたり、書いたものを再構成することで感想文が書けるように工夫しました。今年度の重点はゴールの活動を設定しつながりを意識して取り組むことなのですが、実際には、一つ一つの活動がどうゴールの活動につながっているのか明確ではないような気がしています。このあたりについての自分なりの解答のつもりで計画したつもりですが、時間的な制約もあり、また安易すぎる気も十分とは言えなかったようです。児童に提示した感想文の書き方は次のようなものです。

《読書感想文を書こう》
【初め】
わたしが、「三つのお願い」を読んで、一番印象に残ったところは三つ目のお願い  でした。その理由は、……です。
【中】
話を読む前に、ゼノビアと同じように、かなえてほしいお願いを書いてみました。
それは、○○○、○○○、○○○でした。
しかし、このお話を読んで、お願いや夢は、○○だということがわかりました。
そこで、もう一度、将来の夢について考えました。それは、○○です。(夢について書  く。)
【終わり】
読む前と読んだ後の自分について書く。
物語を読んで、また、夢について考えて、自分の考え方がどう変わったかを書く。

例えば、【初め】部分は、初発の感想で書かせてあります。【中】の「話を読む前のお願い」も初発の感想で書いておいたものをそのまま使います。それ以外は、感想を書く際に、他の資料も使いながら書かせたわけですが、以前に書いたものや考えたことをそのまま使わせることで、一から感想文を書かなくてすんだため、児童の感想文に対する抵抗感もやわらいだと感じます。結果、分量の普段より少しだけ?増えたようにも感じます。

ということで、具体的な感想文を紹介したいのですが、文が長くなったことと時刻が遅くなったので、もう一回書くことにして、今日は終わります。では、また、明日??


2012年1月7日土曜日

初詣で


【音海気比神社】
 1月1日、音海区気比神社、お的入りの儀が開催されました。めずらしく晴天となり、雪のない元旦となり、祝部さんも一安心だったのではないでしょうか。神社での式典の後、無事お的が祝部さん宅に奉られました。1年間よろしくお願いします。(写真を圧縮したら一部色がおかしくなりました。)

元伊勢内宮皇大神社】
 1月5日、元伊勢内宮皇大神社に参拝に行ってきました。
ここには、内宮皇大神社、外宮豊受大神社、天岩戸神社など
3神社があり、このうち元伊勢内宮と外宮は、三重県伊勢神宮
の元になった神社と言われている神社であります。数年前にも一度参拝したことがあるのですが、その時は正月3ヶ日だったので、屋台等が出ていて賑やかでしたが、さすがに5日ともなると、参拝客もまばらという感じでした。その分、ゆっくりと参拝することができました。ちなみに、元伊勢籠神社という神社が宮津にもあり、説としてはいくつかあるようです。宮津の方が立派な感じはしますが、大江山の方は逆に風情・雰囲気があります。私としてはどちらでもいいことですが。

2012年1月4日水曜日

2012(平成24)年

謹賀新年
2011年をふり返って一番印象に残ったもの、購入したもの

【本】  「そうか、君は課長になったのか」
「仕事をしたつもり」
「新明解国語辞典第7版」
※書評は書いているので特に説明なし。
【絵本】 「アナグマさんはごきげんななめ」「アナグマのもちよりパーティー」
※「忘れられない贈りもの」とあわせて3部作。
もぐらがこの話のなかでしめる重要性に気づいた本。
「三つのお願い」
※久しぶりに惚れ込んだ教科書教材。その絵本版。授業もしました。
【CD】 「RAY OF HOPE」※山下達郎さんの新作。
【アーティスト】熊木杏里 ※今年、注目したアーティスト。
こんな曲をやっている人がいたことに拍手。
【DVD】「最後の忠臣蔵」※2011年ではないかも。でも、DVDでみたのは今年。
【ハード】「ROLAND R-05」※R-09の容量が足りないので購入。R-09は養子に出す。 
「Audinst HUD-mx1」※ヘッドフォン用アンプ。
「Nikon FM3a」※衝動買い。マニュアルフォルムカメラ。
「ICZ-R50」※サンデーソングブック(DJ 山下達郎氏)録音用。
【ソフト】「OmmWriter」※集中して書くことができるテキストエディター。
「ファイル変換!動画&音楽 for ALL-Player2」
※動画のファイル変換と結合用に使用。画質が落ちないので重宝してます。
【iPhone用ハード】「iM2」※iPhone用のPCMレコーダー。いざというときのために。
【iPhone用ソフト】「Dropbox」※クラウド用ソフト。超便利。

特に印象に残っているものを書き上げてみました。iPhone用ソフトなどは、無料のものも含めるとたくさんあると思うのですが 。あと、CDもたくさんあるのですが、ほとんど購入しないので。それと、息子用に「MacBook Pro13インチ:コアi5 2.4Ghz」を購入。メモリー8GB、750GBハードディスク。ぼくのよりすごい。でも、安くなりましたね。


2012年に購入予定のもの(というかほしいもの)

「一眼レフデジタルカメラ」…そろそろ真剣に購入を検討したい。ニコンD7000、はたまた
新機種
「ブルーレイディスク」…マックでも対応しつつあることと、つないでいるハードディス
クがいっぱいになりつつあるので。メーカーは特に希望なし。
ただし、ソニーは対応しているDVDの記録方式があわないか
も。
「腕時計」…これも是非。ちょっと高級なものを。
その他、気持ちがゆれているもの。「iPad3」「iPhone5」(でたら?)

まあ、これらはそう思っているだけで、実現するかどうかはわかりませんが。

2012年1月3日火曜日

iPhoneバカ

【今日の本】「iPhoneバカ」美崎栄一郎:著 アスコム:刊
 作者は、「結果を出す人はノートに何を書いているのか」で有名な美崎さん。たくさんのアプリを試された結果にもとづいたソフト評が知れることと思い、購読。特に、Icloud開始に伴うスケジュール管理などに興味がありました。Google Calendarとも連携を重視してきたわけだが、また標準のカレンダーに戻そうかなあ。ちょっと、迷うんだなあ。あと、いろいろ読んでいると、OSも「Lion」に変えようかなあ。まあ、いくつかの新しいソフトも導入できたし、参考になりました。
 
 ということで、新年早々のブログがこの本の紹介になってしまいました。本当は、大晦日前に読み終えていたのですが、年賀状やその他のことがいろいろとあり、忙しくて今日になりました。新年の抱負などは改めて今晩書くことにします。