9月29日(日)、敦賀市民文化会館 大ホールで開催された「春風亭一之輔のドッサリまわるぜ2024」に参加。元福井NHKアナウンサーで「二ツ目」の落語家さん(名前は忘れる)が一席、春風亭一之輔さんが三席という構成。どの演目も一度は聞いたことのある演目で、落ちはわかっていても、話のもっていき方で新鮮に聞けるもので、そのあたりはさすが。落語はCDやDVDで聴くことがほとんどで、生は5回くらい?でも、やはり生で聴くのもいいもの、機会があれば参加したい。
2024年9月24日火曜日
今日の1冊
『今日の1冊』
「夜よさよなら 電子書籍版」手塚治虫:作・絵 手塚プロダクション
手塚治虫さんが、宮澤賢治の作品を漫画化したものがあると聞いて、Kindle版を購入し、読んでみた。
手塚治虫さんが宮澤賢治の作品を漫画するとなると、例えば「銀河鉄道の夜」や「セロ弾きのゴーシュ」、「風の又三郎」や「注文の多い料理店」などを思い浮かべたのですが、なんと「やまなし」でした。内容もさることながら、2枚の「幻燈」とよんだ視覚的な世界をどんなふうに描くのか興味をもって読んでみると、かなり凝った方法で描かれていた。ちなみに、このマンガ本には、「やまなし」以外に7つの漫画が掲載されている。
「やまなし」は、上の段と下の段とそれぞれ別の話が進行する。このあたりは、「5月」と「12月」の対比という原作の手法を取り入れている感じがする。上の段は、公民館で子どもたちが劇を上演している様子である。セリフも原作と同じ。下の段は、その公民館や村を舞台に繰り広げられる物語になっている。しかも、その話が「やまなし」の展開に似ているところが面白い。マンガには、「上の段をおしまいのページまで読んでから下の段をお読みになって下さい」と書いてあります。
下の段は、戦争末期の東北地方の農村が舞台で、公民館で「やまなし」の児童劇を準備するところから始まる。そこに、突然、思想犯を特高の刑事が追いかけてきて射殺するという事件が起こる。そして、その特高の刑事もアメリカ?の戦闘機の空襲によって殺されてしまうのである。この場面は、カワセミに魚が食べられるところを連想させる?そして、作品の一番最後は、上下別々だった作品のコマが縦長のひとコマになり、「やまなし」の公演が休演なったという掲示がでているさびしい?感じの絵で終わる。なかなか実験的な作品だと思う。さすがは、手塚治虫さんだ。他の作品も是非読んでいたい。
ところで、下の段には、「しかし・・・宮澤賢治の小説まで、時局にそぐわないから公演を中止せよだなんて まったく無茶ですよ 官憲は」とか「そうだ・・・本土決戦の時だから・・・芝居なんかにうつつをぬかす人間は必要ないんだとさ」などという台詞がある。これは、いわゆる「学校劇禁止の訓令」を連想させる(禁止ではないという意見もあるが、実質は)。これには、演劇教育に情熱を傾けていた宮沢賢治さんにも何らかの影響を与えたのではないかと手塚治虫さんは連想したに違いない。宮澤賢治の時代にはまだ戦争は始まっていまいけれど、世の中は少しずつ生きづらい時代になっていく。宮沢賢治は、教師を辞めて、「羅須地人協会」を設立し、教え子や青年有志をつのり、講義や音楽会など農村文化の創造となる活動を始めたが、大正末から昭和初期にかけての「学校劇禁止令の訓令」や労農党弾圧などの社会情勢や思想統制を背景に、官憲からの監視を気にし、「誤解を招いて済まない」と活動を縮小し、集会も不定期になったという。そして、次第に身体が衰弱し、発病し、「羅須地人協会」を閉鎖してしまう。そんな背景を念頭に手塚治虫さんはこのマンガを描いたのだろうと思うと、とても興味深い。
下の新聞記事が、「誤解を招いて済まない」と思わせるきっかけになった記事であるといわれている。
2024年9月23日月曜日
村治佳織 上野通明
9月21日(土)ハーモニーホールふくい大ホールにて、「村治佳織&村治奏一ギターデュオコンサート」に参加。主催は、福井新聞社。
村治佳織さんのコンサートは、ここ数年は毎年1回は参加している。弟さんの村治奏一さんの演奏は初めて。第1部は前半がデュオ、後半が村治奏一さんのソロ、第2部は前半が村治佳織さんのソロ、後半がデュオという構成。プログラムどおりの構成だが、佳織さんのソロのはじめに「禁じられた遊び」が追加される。来場者が大変多く、駐車場の関係で開演に間に合わない方がいたようで、その人達のための追加。そういったサプライズは大歓迎。アンコールの「サンバースト」は大変なつかしい。多分一番はじめに聴いた曲?一番はじめに村治佳織さんを意識した曲?クラッシクから様々なジャンルへ幅が広がっており、活動の場もテレビなど様々に広がっているようで、今後も精力的に、そして永く活躍してほしい。また、来年も機会があればコンサートに参加したい。ちなみに、余談ですが、弟さんの顔や風貌が写真などで知っている雰囲気と違っていた。別人のようだった。
翌22日(日)、滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホールで、「上野通明 無伴奏チェロ・リサイタル 」に参加。
会場の小ホールは初めて。びわ湖ホールには何度か行っているが、小ホールがあることを始めて知る。ここはここで、いい感じで、音響もよく、ソロリサイタルにはピッタリ。このコンサートは、古澤巌さんの品川カルテットのコンサートに行ったときに知って申し込んだので、席はかなり後ろの方でしたが、繰り返しななるが、音はしっかり聞けた。申し込んだ理由は、「バッハの無伴奏チェロ組曲」が3つも聴くことができたから。奏者の上野さんについては全く知らなかったわけですが、素晴らしい演奏で一度でファンになった。若手の注目株といったところか!チェロも年代物で、音色も素晴らしかった。また、機会があれば参加したい。
満足の2日間だった。両会場ともに、音響も最高!
2024年9月9日月曜日
フォーラム参加
9月8日(日)、若州一滴文庫で、水上勉没後二十年フォーラム「水上勉と、一休。」が開催されました。主催は「花園大学国際禅学研究所」、内容は、次のとおりです。
①講義 「森女という女性 ー水上一休と柳田一休ー」
②講義 「水上一休が問いかけるもの ー戦後文学における虐げられた人びとへの まなざしー」
講師:飯島孝良さん(花園大学国際弾学研究所副所長)
③座談会 「一滴文庫と水上勉 ー思い出すことー」
「花園大学国際禅学研究所」が主催ということで、京都から直通の往復バスが出され、30人以上の方が参加され、地元の参加者とあわせ、大変盛大なフォーラムでした。改めて水上勉さんのファンの方の多さにびっくりしました。私自身は、正直言うと、水上作品は数冊しか読んだことはないのですが、一休さんとの関わりというテーマに惹かれたことと、一滴文庫に個人的にお世話になっていることがあり、その御礼を言うためもあり参加しました。
内容の濃いフォーラムでした。参考になることばかりで、大変勉強になりました。一休さんについては、資料も少なくて、評価が分かれるところだと思いますが、お話を聞かせていただき、非常に興味を持ちました。トンチの一休さんというイメージが強かったのですが、禅僧としての一休さんについても調べてみたいと思いました。さらに、水上さんの著作について紹介していただきましたので、是非読んでみたい本が何冊かできました。まずは、「一休を歩く」「雁の寺」あたりでしょうか。映画も紹介されました。映画は、何作か見たことがありますが、改めて見直すのもいいと思いました。
このように、なにか触発されるような話を聞くことができて大変幸せです。最後の座談会を聞いていて、おおい町のみなさんの水上さんや一滴文庫へのあつい思いが感じられ、うらやましい感じがしました。大事にしてほしいと思いました。
2024年9月8日日曜日
今日は何の日
9月7日。昭和33年(1958)9月7日、最後の引き揚げ船「白山丸」が旧樺太から舞鶴港に入港し、集団引き揚げが終了した日です。昭和20年(1945)10月7日、引き揚げ第一船「雲仙丸」が入港してから、13年間にわたり約66万人の引揚者を迎えました。
「白山丸」(4351トン、1940年建造)は、太平洋戦争を見事に生き延びた数少ない貨客船のうちの一隻だそうです。もともとは、戦前に北日本汽船の新潟〜北朝鮮航路用に建造され、一旦戦争で沈没したものの引き揚げられて不死鳥のごとく甦った船だそうです。戦後は抑留者の引き揚げや沖縄航路などで使用され、晩年は純白に塗られて東洋郵船の巡礼船としてインドネシア方面でも活躍したそうです。これらはすべてネット情報です。以下は、白山丸と思われる絵です。違ったら、申し訳ありません。
引き揚げに関することは、わからないことが多く、いろいろと本などを読んでいるところです。以下は、最近読んだ本です。
「在外父兄救出学校同盟」毎日新聞社:編 毎日新聞社:刊 *昭和43年刊
「在外父兄救出学生同盟」植村 尚:著 eブックランド:刊 *平成19年刊
「大大陸に陽は落ちて」海老名香葉子:著 ちばててつや:著・絵 鳳書院:刊
「写真が語る満洲国」太平洋戦争研究会:著 ちくま書房:刊
2024年9月2日月曜日
刀根里衣 トークイベント
9月1日(日)県立図書館多目的ホールで開催された「刀根里衣さん トークイベント」に行ってきました。同時に開催されているふるさと文化館主催の夏季企画展「刀根里衣展 きみのそばに」 の関連行事として開催されたものです。トークイベントということで、NHK出版児童書編集長 祝尚子さんが聞き手になり、対話形式のトークイベントでした。
話の内容は、デビューから10年を振り返りつつ、創作活動の裏話やイタリアでの生活についてお話しいただくというものでした。デビューのきっかけから絵本制作の過程、さらには、イタリアやイタリア人の性格などについて、とてもユーモアたっぷりのお話しでした。定員は100名ということでしたが、好評のため150人くらいにふやし、別会場にビデオを中継していたようでした。公演後にサイン会があったのですが、別会場からも絵本を持った人たちがどんどん集まっていました。敦賀市出身ということもあり、たくさんのファンがいるんだとわかり、うれしかったです。大変時間がかかりそうだったので、9月4日新刊の「モカとまほうのコーヒー」のサイン入り本を購入しました。
刀根里衣さんはデビュー10年目だそうですが、デビュー当時からのファンです。話の内容も絵もとても好きで、NHK出版だけでなく、学研や小学館から出版されている絵本をあわせて20冊くらい持っています。今回、楽しいお話しをきくことができ、一層ファンになりました。
ちなみに、企画展の方ではアンケートに答えると、ガチャが一回できて、刀根さんの缶バッチをもらいました。これは、アンケートに答えれば、全員もらえるもので、係の人が是非やってくださいと勧めてくださいました。なんと親切なことでしょう。いい記念になりました。