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脳を創る読書
【今日の本】「脳を創る読書」酒井邦嘉:著 実業之日本社:刊
タイムリーな題名、内容であった。デジタル教科書の問題点について考えていたところだし、子どもたちの読書量をいかにふやすか、読書のよさとは何かについて考えていたところでもあったので、とにかく面白く読めた。副題の「紙の本」が必要なのかというところも改めて読書の大切さに気づかせくれた。ipadが普及しつつある今、改めて教師として考えなければならないことを示してくれた一冊であった。重要な文章とかきとめておく。
読書は、足りない情報を想像力で補って、曖昧なところを解決しがら自分のものにしていく過程だから、常に言語能力が鍛えられることは間違いない。
逆に読書量が少なければ、想像力で補おうとする機会が得られないため、読んでも深い理解が得られず、言葉に直接反応するだけに終っしまうだろう。その結果は、その人の書く文章に如実に表われてくる。他人の書いた文章を読むという経験が不足している結果、自分の文章を客観的に読むことができない。
想像力で補うことが必要とされないものにばかり接していると、結局、想像力が身につかないことになる。電子書籍などの文明の利器は、残念ながらその地道なプロセスの代わりはしてくれない。
電子教科書を使うようになったら、考えるための時間、そして、表現力を伸ばす時間をむしろ多くとらなければならない。実際に手を動かして文字を書いたり、絵を描いたり、ものを作るといった時間のことである。インターネットへの接続を断ち切り、授業時間は考えることだけに集中させるのである。自分で考え、そして表現するための教育の機会を失ったら、人間的な創造力が身につかないまま大人なるおそれがある。電子化のために子どもを教育の犠牲にしてはならない。
電子化が悪いのではない。効率のみを追求する使い方が悪いだけだ。
※最後の文章は、特に、肝に命じておかなければならない。すばらしい本だ。
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