【今週のオオキンレイカ】
久しぶりです。オオキンレイカの花は終わりに近づいています。葉も少しずつ枯れ始めています。全体的に黄緑色になっている感じです。
【今週のオオキンレイカ】
久しぶりです。オオキンレイカの花は終わりに近づいています。葉も少しずつ枯れ始めています。全体的に黄緑色になっている感じです。
【今日の1冊】「山本作兵衛と炭鉱の記録」作兵衛事務所:協力 平凡社
「炭鉱」と書いて「ヤマ」と読みます。ユネスコ世界記憶遺産登録国内第一号の絵師・山本作兵衛さんの絵と明治・大正・昭和期の炭鉱を伝える絵画・写真・坑夫像・漫画・ポスターを紹介した書籍です。数百年後の子孫のために明治、大正の炭鉱の様子を描いておきたかったということで、60歳になってから書かれた絵。その記憶力に脱帽です。大変細かく書かれており、炭鉱の資料としても素晴らしい。当時の炭鉱の様子が手にとるようにわかります。もちろん、大変さや危険さなども。昭和の絵が少ないのは写真があるからだそうである。なるほど。実際に鉱夫だった方がかいておられることが意義がある。文化や芸術は労働の中から生まれるということだろう。
実は、舞鶴市で、「舞鶴への生還 1945-1956 シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録」が世界記憶遺産に登録されていることから、「山本作兵衛コレクション(炭鉱記録画)」についても名前だけは知っていたのですが、詳しく知らなかったので、この本を購入しました。有名なものだけに、知っている絵も何点かありました。知らずに説明するというのは、なんと恥ずかしいことかと反省しました。
もう1冊、山本作兵衛さんが書かれた「炭鉱に生きる 地の底の人生記録」も購入しました。続けて読みたいと思います。
【今日の1冊】「旅のネコと神社のクスノキ」池澤夏樹:著 黒田征太郎:絵
「あれはなに? あの大きな建物。」
「りくぐんひふくししょー。」 兵隊の服を作り、穴が空いた服を繕い、再び兵隊へと着せる。
「なぜ穴が空いているの?」
何気ない会話ですが、ドキッとします。何気ないから余計に。建物の話をしているだけのように聞こえるが、声高に戦争、平和と言わなくても伝えることができるんだなあと感じます。
子どもたちにぜひ読んでもらい、感じてほしい。
【今日の3冊?】
「ノブレス オブリージュ 瀬島龍三の大罪」助川俊二:著 編集工房 朔:刊
当時の軍部は、ポツダム宣言を受けて、ソ連に米英連合国との和平交渉の仲介役を期待していた。この希望的観測といえる姿勢のために、ヤルタ密約を受けて、ソ連が参戦してくるという情報を握りつぶした。その中心にいたのが、瀬島龍三であるということか。彼がそのことについて語ることなく亡くなっている以上、断定することはできないか。そのとおりだとすると、官僚というものは今も昔も本当のことを語らないものなのだなあと呆れる。情報を握りつぶしたりしなければ、多くの犠牲を払うこともなかっただろうに。腹立たしいかぎりである。
「語らなかった女たち」鈴木政子:著 本の泉社:刊
「告白 岐阜・黒川 満蒙開拓団73年の記録」川 恵美:著 かもがわ出版:刊
前者は、聞き取りや調査をもとに書かれたもの、後者は、NHK ETV特集「告白〜満蒙開拓団の女たち〜」の取材班が取材のなかで起きた出来事や番組では伝えきれなかったことなどをまとめられたものです。取材中に、どうして私にその話をしてくれるんですか?」と訪ねたときに。佐藤さんがおっしゃった、「だってあなた、世の中に伝えることができる人でしょう」という言葉が印象的です。その目は凄んでいたそうです。
戦争は、兵隊と兵隊が戦うだけではなく。多くの市民(女性や子供たち)を犠牲にする。このことをしっかりと語っていく必要を感じます。国を守るため、国民の命と財産を守るため、なんて言葉は綺麗事であり、嘘だということがよく分かる。現在でも同じである。戦争は起こしてはならない。
ところで、こういう話題を当事者でないものが語るときは、プライバシーについてなど、細心の配慮が必要である。同じような本に「ソ連兵へ差し出された娘たち」という本がある。開高健ノンフィクション賞を受賞した作品であるが、遺族会からの抗議の文章を読んだことがある。本を読む前に、遺族会のモメントを先に読んでしまったので、読もうかどうか迷っているところではある。こういう問題を語るには覚悟が必要であると感じる。ただ事実だからと正義感に燃えて語るだけではいけない。なんのために語ってるのか、自問自答する毎日である。
【今日の1冊】「沈黙の四十年―引き揚げ女性強制中絶の記録」武田繁太郎:著 中央公論社:刊
作者については、詳しくわかりません。小説家なのだと思うのですが、ノンフィクションも書かれるのでしょうか。他の人達が取り上げないテーマをここまで取り上げておられることは賞賛に値します。なかったことにされても仕方ないこと、そのくらい誰も取り上げなかったテーマだと思います。満州や北朝鮮に居留していた方々の、特に、女性であるがゆえに味わった苦難。それら苦難が隠された事情や社会背景などについて、詳細に書かれています。感想というか?言葉が出ません。
番組では、犠牲となった女性が出演し、当時の記憶を語っておられました。「性病をもらったりして、お医者さんの先生が、いろいろ手入れしてくださって、注射してもらったり。たくさん亡くなっていきましたけども、おかげで私や今残ってるのが3人。12人が接待に出されて、病気もらって、あとは死んでいったんです。」と証言されていました。2020年に黒川にある佐久良太神社で、満蒙開拓団の慰霊祭が行われたそうです。そこには「乙女の碑」があります。なかったことにされていた事実が70年以上経って明らかになったのでした。
黒川分村遺族会の藤井宏之会長さんの「自分の親たちがやったことに対して、それが恥じることだということで口に出さないようしてきたということで…。その方が一番恥じるべきじゃないかと…」言われた言葉は大変重い言葉だと思います。
この女性たちのことを考えれば考えるほど、現在戦闘状態にあるウクライナのことを重ねてしまうのは自分だけでしょうか?
【今日の1冊】「漫画 シベリア抑留物語」齋藤邦雄:著 光文社:刊