【今日の1冊】「風のように」ちばてつや:著 久志本出版:刊
「あしたのジョー」などで知られるちばてつやさんの短編集。収録作品は、「風のように」「あるインクの話」「え〜ん」「屋根うらの絵本かき」「茂助じい」「あるあしかの話」の5話である。
「屋根うらの絵本かき」は、終戦後、満州からの引き揚げの途中に中国人の友人の徐さんにかくまってもらった数ヶ月を描いたものです。このときの経験がちばさんを漫画家にしたのだと思います。その他、「風のように」は、男の子と女の子のヒューマンタッチあふれる作品、「あるインクの話」は、SFっぽい作品、「茂助じい」は、宝石泥棒とじいさんの対決を描いた作品。海を知り尽くしたじいさんが犯人を捕まえることになるわけですが、あっぱれな感じです。「あるあしかの話」は、悲しいお話ですね。
どれも「あしたのジョー」と同時代に書かれた作品だそうですが、最近は体調を崩されていると聞き、心配です。そういえば、「あしたのジョー」の原画を和紙で残す企画のために福井県に来られる予定もキャンセルになったそうです。お体に十分に気をつけていただき、これからも、少しでも長くかき続けてほしいです。特に、満州や戦争、引き揚げに関する漫画をもっとたくさん残していただけると幸いです。
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