【今日の本】「教育の方法」佐藤学:著 左右社:刊
「放送大学叢書 011」叢叢と書いてあるということは、当然放送大学の講義に使われたテキストを本にしたということなのでしょうね。そう考えると、レベルの高い講義といえます。簡潔にまとめてある分、各自がさらにくわしく調べなさいということなのでしょう。
簡潔にまとめてある部分から気になった文章を書き留めておきたい。
「学びの3つの次元の対話的実践」
①対象世界との対話的実践 ②教師や仲間との対話的実践 ③自分自身との対話的実践
学びは、「世界づくり」と「仲間づくり」と「自分づくり」を三位一体で追求する対話的 実践である。
「対話的コミュニケーションが成立している授業を参観すると、題材との対話、仲間との 対話、自分自身との対話という3つの対話的実践が組織されている。」
「発達の最近最近接領域」
協同学習においては、多元的で重層的な発達の最近最近接領域を構成します。
「教室に生起するジレンマ」
①認知的・文化的領域のジレンマ ②対人的社会関係のジレンマ ③自己内的実在的ジレ ンマ
「言語と学力」
学力格差が拡大し固定する要因の一つとして、教室で規範化されている言語と子どもの日 常生活の言語との差異にあるあるのではないか。
「学びの共同体としての学校」
子どもたちが学び育ち合う場であるだけでなく、教師たちが教育の専門家として学び育ち 合う場所であり、親や市民が教育活動に参加して学び育ち合う場所である。
①授業の改革 「作業活動」と「小グループの協同」と「表現の共有」の3つの要素があ る。これらが定着した後は、すべての教室の机の配置をコの字かグループ別のテーブル 型へと変更し、聴き合い学び合う教室づくりへと進展する。
②同僚性の構築
どの教室でも教師の声のテンションが下がって柔らかくなり、それと並行して生徒一人 一人が柔らかく真摯に学ぶ姿が見られるようになりました。
③親と市民の教育活動への参加
「課題と展望」
①より少なく学ぶことがより多く学ぶこと
②カリキュラムと組織の単純化
③小さな共同体で繊細な関係を基本とすること
「よい学校」
よい学校とは、決して問題のない学校ではないはずです。よい学校とは、絶えず問題が子 どもと教師と親によって共有され、その解決に向かって協力し連帯し合っている学校だと 思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿