2025年3月2日日曜日

最近読んだ書籍

『アップルはジョブズの「いたずら」から始まった」井口耕二:著 日経プレミアシリーズ:刊


 この方は、これまでにもスティーブ・ジョブズ関連の本をたくさん訳しておられ、何冊か呼んだ記憶がある。「いたずら」とあるが、それは「遊び心」と言い換えてもいい。それこそが、独創的な発送の原点なのであろう。macを発売した当時は、モトローラーの68000はじめハードや環境がついて来られなかったが、今は違う。しかし、ジョブズは妥協しなかった。やっと時代が追いついた。そこに先見の明があった。次の次をよんでいた。パソコン、アニメ映画、音楽配信、携帯電話、タブレット。 そんな高いものは売れないといわれたものがどんどん売れた。改めて偉大である。


「日ソ戦争 帝国日本最後の戦い」麻田 雅文 :著 中公新書:刊


 ここでいう「日ソ戦争」とは、1945年8月9日から9月上旬までに、満洲、南樺太などで行われた第2次世界大戦最後の戦争をいう。まさに、戦後をみすえた戦争であった。

 この戦争について、従来から知られていることに加えて、新史料を駆使し、米国によるソ連への参戦要請から、満洲など各所での戦闘の実態、終戦までの全貌を描いている。内容のある新書であり、大変参考になる。現在の日本とロシアの関係の原点がここにあるといえる。


『満州 奇跡の脱出―170万同胞を救うべく立ち上がった3人の男たち』ポール・邦昭・マルヤマ  著 高作 自子:訳 柏艪社:刊


 NHKドラマ「どこにもない国」の原作本。 終戦時、満州に取り残されたおよそ170万人の日本人。ソ連軍の侵入により、故国帰還の途を断たれ、死と隣り合わせの恐怖に脅える彼らを救おうと、決起した丸山邦雄、新甫八朗、武蔵正道たちの話。作者は、その丸山さんのご子息。

 3人は、数々の危険や非道な拷問にもめげず、マッカーサーGHQ最高司令官など日米の要人に直訴を続け、在満日本人引き揚げを実現させた方たちであることを付け加えておく。コロ島ルートを確立したものこの方々。再度、中国に渡った「武蔵正道」は、拘束され拷問も受けている。本当に頭がさがる思いである。このような人たちの献身がなければ、さらに実現は遅れたに違いない。武藤さんの著書も購入したので、是非読んでみたい。


「なぜコロ島を開いたか」丸山邦雄:著 永田書房:刊


 丸山さんの著書には、「ユートピアをめざして」があることを以前紹介した。この著書は、戦後25年を記念して発行されたものである。コロ島や大連からの中国に取り残された人々の帰国が成功した裏には、もちろん丸山さんたちの献身的な努力があったわけだが、それ以外にさまざまな人々の 協力があった。さらに、アメリカも中国から日本人を一掃したかったということもあり、それらがうまくマッチしたことも幸いしたこともわかる。いずれにしても、もっともっと注目されていいのではないか。

2025年2月8日土曜日

仏像から

 2月8日(土)「ぐるっと!内浦 内浦の仏像 その2」に参加。「その1」は都合により欠席。今回は、山中区から上瀬区の各集落の寺院の仏像の紹介。

 日引の正楽寺以外は、臨済宗の寺院が多く、「聖観音菩薩像」や「達磨大師像」などが本尊であり、それぞれ江戸時代作のものが多いが、なかには「鎌倉時代」、「室町時代」、「平安時代」の作もあるようだ。それぞれに、立派なもの、価値のあるものも多いようだ。

 そこでひとつ疑問。細かいことを言うようですが、その時代のものがあると聞くと、「それらの仏像の作られた時代からお寺または臨済宗の寺院があった」ように思いがちですが、そうとは言えないのではないか。このあたりの寺は臨済宗のお寺が多いわけですが、臨済宗は鎌倉仏教。まずは、平安時代の仏像はあり得ない。また、臨済宗は、もともと鎌倉や室町の武士階級が支持した宗派であり、民衆には広まっていなかった。このあたりの寺院が臨済宗になるのは江戸時代の中期頃以降ではなかろうか。ということは、臨済宗に改宗するにあたり、「聖観音菩薩像」や「達磨大師像」などが必要になり、購入したり、譲り受けたりしたものなのだろう。まあ、書くまでもない、当たり前のことですが。個人的には、どのような経緯で区内の寺院が臨済宗になったのか?なぜ臨済宗なのか?このあたりの事情を知りたいと思って、話を伺っていた。

2025年2月3日月曜日

夜と霧

「夜と霧」ヴィクトール・E・フランクル:著 池田 香代子:訳 みすず書房:刊


 原著の初版は1947年、日本語版の初版は1956年。その後著者が1977年に改訂版を出版。これをもとに、2002年に本書が出版。現在は、『夜と霧――ドイツ強制収容所の記録』霜山徳爾訳本と『夜と霧 新版』池田香代子訳のふたつの『夜と霧』があることになる。

 実は、この本を購入したのが、2013年8月。何度か読みかけてはやめ、読みかけてはやめを繰り返し、やっと読破。実に10年以上。何度か書籍の整理をしたが、捨てられずに残っていた本。

 内容は有名。ユダヤ人精神分析学者の作者が自分のナチス強制収容所体験をつづったもの。全世界で読み続けられている名著。

 ここで起こったことは、決して過去のことではなく、今も起こりうること、いや、すでに起こっていること。どんな状況でも、尊厳を持って生きることができるだろうか。

あまり内容のない書き込みと反省。 

2025年1月20日月曜日

MISIA

  1月19日(日)15:00〜 サンドーム福井にて、「THE TOUR OF MISIA 2025 LOVE NEVER DIES」に昨年に引き続き、参加。


               会場に掲示してあったポスター

 昨年は、音響のトラブルがあったが、今年は順調。また、能登半島地震の後ということで、関連するメッセージがたくさん聞かれたが、今回は話は少な目。相変わらずの声量と音域で圧倒された。あっという間の2時間半だった。

 サンドーム福井の駐車場は相変わらず出るのが大変。早く行ったが同じ。


         会場のスクリーンは小さめ。迫り出したようなステージ

2025年1月18日土曜日

TSUKEMEN

 1月18日(土)14:00〜 ハーモニーホールふくい 小ホールにて「TSUKEMEN 15th Anniversary CONCERT 〜BEYOND CLASSIC〜」に参加。小ホールに入ったのは初。
 2024年1月21日(日)に予定していたコンサートでしたが、能登半島地震のために1年、延期しての公演。もう16年目?

 約1年振りの開催、待ち望んでいた。TAIRIKだけは、昨年「品川カルテット」のコンサートで演奏を聴いている。3人とも話しが上手で、ユーモアと温かみのあるステージ。あっという間の2時間半。アンコールもあり。演奏曲は、クラッシック、映画音楽、ジャズ、ポップス、そして、オリジナル曲と様々。オリジナル曲は「Dear Doctor」「蝉時雨」「真田組曲」など。


        会場には、キャンドルもあり。シンプル。音響はいい感じ。 

 今日はもう一つ。1月17日は「阪神・淡路大震災30年の日」。たまたま部屋を整頓していたら映画「マエストロ!」のDVDが出てきたので視聴。
 『マエストロ!』は、2015年公開の映画で、解散した交響楽団が再結成され、コンサートを成功させるまでの話。どうして、ここでこの話をするかというと、震災と関係するから。映画の中で、フルート担当の「橘あまね」のお父さんが阪神・淡路大震災の犠牲者で、「天童徹三郎」さんに見本を聴かせるよう指示されたとき、命を落とした父を思いながらフルートを吹いて涙を流すシーンがあるから。命を落とした父を回想しながらフルートを吹くことで、「今日が最後の演奏と思って弾く」また、「人ひとり殺すつもりで演奏する」ことになるというシーンは唐突な感じもしますが。でも、懐かしい映画である。
 さらに、地震とは関係ないが、そのマエストロの「天道徹三郎」を、亡くなった「西田敏行」さんがつとめていることも懐かしい。
 あれから30年。その間、東日本大地震や昨年の能登半島地震などあったが、震災の記憶を風化させないことの重要性を改めて感じる。TSUKEMENのコンサートが30年目の日の次の日にあるというのも何かの縁なのか。