2022年8月28日日曜日

今週のオオキンレイカ

 【今週のオオキンレイカ】

 久しぶりです。オオキンレイカの花は終わりに近づいています。葉も少しずつ枯れ始めています。全体的に黄緑色になっている感じです。


葉が色づき始めている感じです。
茎も弱くなっているのか、だんだんと
お辞儀をしているようになってきました。


花も少なくなってきました。


まだ少し遅咲きの花もあるようです。

ついでに、庭に咲いている花も紹介します。



仏さんの切り花に使っているので、花自体は少ないのですが。

2022年8月22日月曜日

山本作兵衛と炭鉱の記録

 【今日の1冊】「山本作兵衛と炭鉱の記録」作兵衛事務所:協力 平凡社


 「炭鉱」と書いて「ヤマ」と読みます。ユネスコ世界記憶遺産登録国内第一号の絵師・山本作兵衛さんの絵と明治・大正・昭和期の炭鉱を伝える絵画・写真・坑夫像・漫画・ポスターを紹介した書籍です。数百年後の子孫のために明治、大正の炭鉱の様子を描いておきたかったということで、60歳になってから書かれた絵。その記憶力に脱帽です。大変細かく書かれており、炭鉱の資料としても素晴らしい。当時の炭鉱の様子が手にとるようにわかります。もちろん、大変さや危険さなども。昭和の絵が少ないのは写真があるからだそうである。なるほど。実際に鉱夫だった方がかいておられることが意義がある。文化や芸術は労働の中から生まれるということだろう。

 実は、舞鶴市で、「舞鶴への生還 1945-1956 シベリア抑留等日本人の本国への引き揚げの記録」が世界記憶遺産に登録されていることから、「山本作兵衛コレクション(炭鉱記録画)」についても名前だけは知っていたのですが、詳しく知らなかったので、この本を購入しました。有名なものだけに、知っている絵も何点かありました。知らずに説明するというのは、なんと恥ずかしいことかと反省しました。

 もう1冊、山本作兵衛さんが書かれた「炭鉱に生きる 地の底の人生記録」も購入しました。続けて読みたいと思います。

2022年8月15日月曜日

旅のネコと神社のクスノキ

 【今日の1冊】「旅のネコと神社のクスノキ」池澤夏樹:著 黒田征太郎:絵


 「旧広島陸軍被服支廠」をテーマにした絵本。主人公のネコとクスノキの会話、

「あれはなに? あの大きな建物。」

「りくぐんひふくししょー。」 兵隊の服を作り、穴が空いた服を繕い、再び兵隊へと着せる。

「なぜ穴が空いているの?」 

 何気ない会話ですが、ドキッとします。何気ないから余計に。建物の話をしているだけのように聞こえるが、声高に戦争、平和と言わなくても伝えることができるんだなあと感じます。

 子どもたちにぜひ読んでもらい、感じてほしい。

2022年8月11日木曜日

ナイトミュージアム

 「『引き揚げを知ろう』スペシャルデー2022」に行ってきました。夕方に行われた「星に届ける平和の願い ナイトミュージアム」を見るためでした。見学者のみなさんが思い思いに書いた絵が闇夜に照らされていました。




 X100Fで撮影。フラッシュを使わなかったのでテブレがあります。手ブレ補正ができるカメラがほしい?

 せっかくなので、記念館の中の様子も撮影しました。


2022年8月10日水曜日

告白他

 【今日の3冊?】

「ノブレス オブリージュ 瀬島龍三の大罪」助川俊二:著 編集工房 朔:刊  

 当時の軍部は、ポツダム宣言を受けて、ソ連に米英連合国との和平交渉の仲介役を期待していた。この希望的観測といえる姿勢のために、ヤルタ密約を受けて、ソ連が参戦してくるという情報を握りつぶした。その中心にいたのが、瀬島龍三であるということか。彼がそのことについて語ることなく亡くなっている以上、断定することはできないか。そのとおりだとすると、官僚というものは今も昔も本当のことを語らないものなのだなあと呆れる。情報を握りつぶしたりしなければ、多くの犠牲を払うこともなかっただろうに。腹立たしいかぎりである。


「語らなかった女たち」鈴木政子:著 本の泉社:刊



「告白 岐阜・黒川 満蒙開拓団73年の記録」川 恵美:著 かもがわ出版:刊


 ともに、満蒙開拓移民団や満蒙青少年義勇軍など戦時中に満州にわたった女性たちの悲劇について書いたものです。そして、ともに戦後70年以上経って、今だから話せる、話さなければならないとの思いから出版されたものです(と思います)。

 前者は、聞き取りや調査をもとに書かれたもの、後者は、NHK ETV特集「告白〜満蒙開拓団の女たち〜」の取材班が取材のなかで起きた出来事や番組では伝えきれなかったことなどをまとめられたものです。取材中に、どうして私にその話をしてくれるんですか?」と訪ねたときに。佐藤さんがおっしゃった、「だってあなた、世の中に伝えることができる人でしょう」という言葉が印象的です。その目は凄んでいたそうです。

 戦争は、兵隊と兵隊が戦うだけではなく。多くの市民(女性や子供たち)を犠牲にする。このことをしっかりと語っていく必要を感じます。国を守るため、国民の命と財産を守るため、なんて言葉は綺麗事であり、嘘だということがよく分かる。現在でも同じである。戦争は起こしてはならない。

 ところで、こういう話題を当事者でないものが語るときは、プライバシーについてなど、細心の配慮が必要である。同じような本に「ソ連兵へ差し出された娘たち」という本がある。開高健ノンフィクション賞を受賞した作品であるが、遺族会からの抗議の文章を読んだことがある。本を読む前に、遺族会のモメントを先に読んでしまったので、読もうかどうか迷っているところではある。こういう問題を語るには覚悟が必要であると感じる。ただ事実だからと正義感に燃えて語るだけではいけない。なんのために語ってるのか、自問自答する毎日である。

2022年8月6日土曜日

沈黙の四十年

 【今日の1冊】「沈黙の四十年―引き揚げ女性強制中絶の記録」武田繁太郎:著 中央公論社:刊


 作者については、詳しくわかりません。小説家なのだと思うのですが、ノンフィクションも書かれるのでしょうか。他の人達が取り上げないテーマをここまで取り上げておられることは賞賛に値します。なかったことにされても仕方ないこと、そのくらい誰も取り上げなかったテーマだと思います。満州や北朝鮮に居留していた方々の、特に、女性であるがゆえに味わった苦難。それら苦難が隠された事情や社会背景などについて、詳細に書かれています。感想というか?言葉が出ません。


 先日、東海テレビで、「開拓団守るため『性接待』…ソ連兵に差し出された15人の未婚女性「犠牲になれ」封印された75年前の取引」というドキュメンタリーが放送された。戦時中、満州に渡った岐阜県「黒川開拓団」の話である。この黒川開拓団が戦後、侵攻してきたソ連軍の兵士から自分たちの身を守るために未婚の女性をソ連兵に差し出し「性の接待」をさせた話である。

 番組では、犠牲となった女性が出演し、当時の記憶を語っておられました。「性病をもらったりして、お医者さんの先生が、いろいろ手入れしてくださって、注射してもらったり。たくさん亡くなっていきましたけども、おかげで私や今残ってるのが3人。12人が接待に出されて、病気もらって、あとは死んでいったんです。」と証言されていました。2020年に黒川にある佐久良太神社で、満蒙開拓団の慰霊祭が行われたそうです。そこには「乙女の碑」があります。なかったことにされていた事実が70年以上経って明らかになったのでした。

 黒川分村遺族会の藤井宏之会長さんの「自分の親たちがやったことに対して、それが恥じることだということで口に出さないようしてきたということで…。その方が一番恥じるべきじゃないかと…」言われた言葉は大変重い言葉だと思います。

 この女性たちのことを考えれば考えるほど、現在戦闘状態にあるウクライナのことを重ねてしまうのは自分だけでしょうか?

2022年8月3日水曜日

シベリア抑留物語

 【今日の1冊】「漫画 シベリア抑留物語」齋藤邦雄:著 光文社:刊



 齋藤邦雄さんには、「シベリア抑留兵よもやま物語」という文庫本があり、以前に読んだことがありますが、これは、それを漫画化したものです。というわけで、内容も同じです。文庫本にも何点か漫画の挿絵があり、上手なイラストだなあと思っていましたが、漫画家だったのですね。この間、何冊か漫画を読んでいますが、本当は悲惨な話なので、おもしろく伝えると軽くとらえられてしまい、いけないのかもしれませんが、三重苦というつらさばかりが前に出てしまうのも辛い感じがします。漫画のほうが伝わりやすい面もあると感じました。なにしろ、たくさんの方に読んでもらえます。今、子どもたちにどう教えるか、どのような教材で教えるかを考えているから、なおさらそう思うのかもしれません。両方必要なんでしょうが・・・。