2022年7月29日金曜日

シベリア抑留者たちの戦後、日本のいちばん長い日

 【今日の1冊】

「シベリア抑留者たちの戦後」富田 武:著 人文書院:刊


 大変むずかしい本で、正直、第1章だけは、しっかりと読みましたが、これ以外は斜め読みでした。なんと「註」だけでも40ページくらいあり、研究物といった感じでした。いつかまた挑戦したいと思います。

 印象に残ったのは、「あとがき」の「第2」にかかれていたことです。シベリア抑留問題を次の世代後世に伝えるため学校教育の現場で取り上げるよう働きかける課題についてふれられていました。この点について、微力ながら取り組みたいと思いました。まずは、教科書にどのような記述があるのかを確認したいと思います。


「日本のいちばん長い日(上)、(下)」半藤 一利:原作 星野 之宣:漫画 文藝春秋社



 「ラーゲリー」や「大地の子」を同じ文春現代史コミック。一緒に買ってしまいました。

 原作は、何度も映画化されている「降伏」か「本土決戦」か巡るノンフィクションドラマ。漫画化するに当たり、幕末の「尊皇攘夷」思想から説き起こす展開となっており、なかなか面白いです。

2022年7月28日木曜日

太平洋戦争と子どもたち

【今日の1冊】「事典 太平洋戦争と子どもたち」浅井春夫他:編 吉川弘文館:著


 「戦争が子どもたちにもたらすものが何か」を様々な状況ごとに明らかにした本であり、大変読みやすく、参考になりました。

 子どもたちが戦争に巻き込まれた責任は、大人にあります。さらに、その国の為政者にあります。どうして、戦争が起こり、どのように子どもたちが巻き込まれていったのかを歴史的に明らかにしなければならない。そして、二度と同じことが起こらないようにしなければならない。

 そのためにも、「戦争の記憶をどのように継承するか」ということに関心があります。しかし、戦争を体験したことがないわたしたちが、戦争の本当の姿をつかみ教訓化することができるのだろうか、その資格はあるのだろうかとと悩むこともあります。戦争を体験した世代に言わせれば、「戦争は、経験したものにしかわからない」と言われるかもしれません。しかし、経験してからでは遅いのも事実です。どんなことがあっても、また戦争をおこしてはならないわけです。
 現実は、過去や歴史の延長線上にあります。その歴史を振り返り、歴史事実を反省したうえに、未来への道標を描くことができるのはないでしょうか。いまを生きる者として、何を語り、どう行動するのか、子どもたちとわたしたちの未来が奪われないようにするために、わたしたちは戦争を語り、何を大切にしたいのかを考え続けることが大切だと考えます。それは、ある意味で、一人一人の新たな生き方を模索することではないか。

 「体験者の苦しみを自分のものと感じ、ともにあろうとする姿勢こそが、理性や感性を通して戦争体験が吸収され、非体験者の血肉に換えられていくのではないか。」という指摘にも同感します。その先に、新たな伝え手としての道が開かれていくのではないかと思います。

 この本を読んで、「この国では、戦中、戦後を通じて、子どもたちへの無関心が続いているのではないか」という意見に同感します。いま、ウクライナで起こっていることなどを知らせながら、戦争とは何かを語り続けることに意義があると思います。戦争で犠牲になるのは、いつも、国民や子どもたちです。民間人の大量殺戮が戦争の本質であることを伝えたいと思います。

 戦争の経験を忘れ去ってはいけない。命を奪い、尊厳を奪う戦争を根絶するまで継承の方法は模索され続ける。継承を諦めない姿勢は、きっと新たな戦争への抑止につながると信じます。少しではありますが、お役に立てればと思います。

2022年7月25日月曜日

大地の子

【今日の1冊】「大地の子 1・2」 山崎豊子:原作 かんようこ:漫画



 「ラーゲリー」に続いて、文芸春秋社の文春現代史コミックである上の2冊の本を読みました。山崎豊子さんの名作を日中国交正常化50周年を機に漫画化したものだそうです。二つの祖国に翻弄されつつ、自らの生き方を探し求めるという物語です。

 「満州とは」「満蒙開拓団とは」「中国残留孤児とは」など、この漫画からたくさんのことが学べます。中国国内の複雑な事情などは難しいですが。若い世代の人たちにも、ぜひ読んでほしい漫画です。

 ちなみに、この漫画には続きもあるのでしょうか?

2022年7月24日日曜日

ラーゲリー

 【今日の1冊】「ラーゲリー 収容所から来た遺書」辺見じゅん:原作 河井克夫:漫画


 文春現代史コミックス。以前、ネット検索した時に、この漫画を何ページか見たことがあるので、多分雑誌に載ったものを本にしたものか、または、復刻版なのでしょう。ネットで発売を知り、即購入しました。

 原作は、1990年に大宅賞を受賞したノンフィクション。極寒、飢餓、重労働に屈しなかった男たちの勇気と知性の物語として、読む人たちに感動を与え続けている作品です。と、思っています。漫画であることから、シベリア抑留のことを知っている人も、また、知らない方にも、感動を与える作品だと思います。

 今年の冬には、「ラーゲリより愛を込めて」として映画が公開されます。もうチラシもできています。映画と共に、多くの方に是非読んでいただきたいと思います。


「文春現代史コミックス」は、他にも「大地の子」などがあるので、あわせて注文しました。
楽しみです。

2022年7月23日土曜日

今週のオオキンレイカ

 【今週のオオキンレイカ】

 先週とあまり変わり映えしないので、角度を変えて写真を紹介します。

右から
左から
ちょっとアップ

2022年7月21日木曜日

おおきくなったら、なんになる?

【今日の1冊】「おおきくなったら、なんいなる?」刀根里衣:文・絵 NHK出版

 うさぎのモカが憧れの職業を紹介する、夢が膨らむお仕事絵本というところです。

新作ということなので、とりあえず買ってしまいました。ファンですから。



2022年7月18日月曜日

今庄宿 藤原さくら

 7月18日(月)、旧昭和会館で開催された「藤原さくら 弾き語りツアー2022−2023 ”HEARTBEAT"」に参加しました。


会場の様子。ギターが2本。

 せっかくなので、コンサートの前に今庄宿を散策しました。今庄宿は、木之本と同じ北国街道の宿場であり、福井藩の本陣跡や高札場跡、問屋場跡など江戸時代の史跡がたくさんあります。また、伝統的民家に指定されている町家がたくさん残っています。屋根に卯建が立っているのも特徴です。コンサートのあった昭和会館は、昭和5年に建設された建物です。また、梅肉、お酒など、江戸時代から続く特産品が残っているのも宿場町ならではの特徴といえます。歴史を感じながら散策できる宿場町でした。









 「藤原さくら 弾き語りツアー」は、昭和会館の3階で開催されました。弾き語りツアーというように、100名程度のアットホームなコンサートでした。ひとりだけでしたが、時折、リズムマシンやサンプリングをつかって、さまざまなジャンルの曲を演奏していました。


昭和会館。二階建てに見えますが、三階建てです。

2022年7月17日日曜日

今週のオオキンレイカ

【今週のオオキンレイカ】

 まわりの草(雑草)は、刈っても刈っても、すぐに伸びてきます。オオキンレイカは、背が伸びて、雨が降ると下にうつむいてしまうような状態です。早く咲いた花は、花びらが散り始めました。撮影角度をいろいろと変えてみて、撮影しています。






 ほかにも、庭にはこんな花もあります。




 

2022年7月16日土曜日

ぼくの満州

【今日の1冊】「ぼくの満州 上・下」森田拳次:著 あゆみ出版:刊



 あゆみ出版はもうありません。したがって、この本は、古本です。資料館で借りて読んだのですが、是非手元にも置きたいと思い、購入しました。

 戦争漫画というと、最近では、ちばてつやさんのものをよく読んでいます。ちばさんも満州からの引揚者ですが、森田さんも同じです。上・下巻ということで、幼いことから引き揚げまでのエピソードがよく分かる本で、参考になります。ソ連の参戦や終戦をさかいに立場が変わり、急展開する様が詳細にわかります。

 そのなかで、「国境付近の報国農業から逃げてきた開拓青少年義勇軍です」と名乗る青年が満州から避難している隊に合流する場面があるのですが、私のおばさんも満州に報国農場勤労隊員として行っていたので、 こんな感じだったのかなあと想像させられました。ソ連の侵攻を受け、団がばらばらになり、他県の団に合流したと聞いています。

 ついに内地(舞鶴)の土を踏んだときに、こぶしをあげて内地の第一歩を歩んだことから、拳をペンネームにしたこともわかりました。

 漫画だからこそ表現できる部分もあるのだと思いました。

2022年7月15日金曜日

シベリア抑留画集 在外邦人引揚の記録

 【今日の1冊】

「シベリア抑留画集」福間行信:著 報光社:刊

 シベリア抑留体験者による自費出版本。抑留体験について、イメージするには画集が一番であると思う。文章では想像しにくいことが、細部まで理解できる。森林の伐採作業などは特に。本格的な画家さんの絵は抽象的でわかりにくい面があるが、漫画タッチの絵はその点具体的で理解しやすい。



「在外邦人引揚の記録 この祖国への切なる慕情」飯山達雄他:著 毎日新聞社:刊

 飯山達雄さんによる満州地域撮影写真と三宅一美さんによる朝鮮地域撮影の写真を掲載した写真集。山本美津子さんの記事と山本さんを撮影した飯山さんの記事が読みたくて引揚記念館で借りました。このような貴重な資料を借りることができるのは大変ありがたい。当時、飯山さんが家族の捜索を後回しにしてでも、大陸に残されいてる邦人の実態を写真にとってGHQに訴えてやろうと決意した思いが伝わってくる記事である。同じような思いで行動した方々がたくさんおられるわけで、その人達について更に詳しく調べてみたいと思いました。ところで、飯山さんは奥さんと出会えたのでしょうか。そのあたりには、あまり触れていないようなのですが?

昭和21年7月 奉天で撮影された「男装の少女」山本美津子さん。その目は、戦争の悲しみを訴えているようであった。


2022年7月10日日曜日

今週のオオキンレイカ

 【今週のオオキンレイカ】

 今週は、オオキンレイカ以外に、わたの成長の様子も紹介します。

オオキンレイカは、花の数もふえてきました。はじめに咲いた花は、もう散り始めています。また、昨年に引き続き育てているわたですが、今年は、苗を作らず、直に種を蒔いたため、ほとんど発芽せず、20本ほどした成長していません。まいた後の水やりもきちんとできませんでした。残ったものだけでも、しっかりと育てたいものです。


山の斜面に咲いているような感じがします。



草刈りをしたので、やっとよく見えるようになりました。

2022年7月9日土曜日

ウズベク人研究者特別講演会

 令和4年7月9日(土)13:00~15:00、舞鶴引揚記念館で開催された「ウズベク人研究者特別講演会『ウズベキスタンに抑留された日本人』」に参加しました。講師は、シェルゾッド・ムミノフ氏(英国・イーストアングリア大学助教授)でした。

 時間を勘違いしていて、30分遅れて参加したのですが、日本人抑留の問題について、国際的な視点から比較研究を行っておられ、大変参考になりました。






2022年7月8日金曜日

シベリア捕虜収容所の記録

【今日の1冊】 

 週刊読売臨時増刊号「シベリア捕虜収容所の記録」読売新聞社:刊

 極秘資料写真集と書いているように、シベリア抑留に関する写真集。


 下にある武装解除後に集結地に護送されている日本兵の写真。この写真の鮮明なものがほしくて、出典であろう、この雑誌をアマゾンで古本として購入。1990年12月20日発刊である。


 この間、これ以外にもシベリア抑留に関する本を何冊か読んでいる。

「シベリア抑留 スターリン独裁下、収容所群島の実態」富田 武:著 中公出版社:刊

「赤い月 上・下」なかにし礼:著 岩波書店:刊」

「マンガ ぼくの満州 上・下」 森田拳次:著 あゆみ出版:刊

 このごろ、本の紹介をさぼっています。他にも読んでいるのですが、いずれまた紹介したい。


2022年7月3日日曜日

今週のオオキンレイカ

 【今週のオオキンレイカ】

 久しぶりに雨が降りました。すこし強く降ったので、花びらが落ちないかと心配でした。花が綺麗なので、しつこいですが、日曜日なので写真をアップします。






斜面のような花壇に咲いているところが山の岩場で咲いているように見えませんか。


もう少し絞ったほうがいいですね。

2022年7月1日金曜日

昭和歌謡にこめられた帰還者の思い

「昭和は輝いていた 満州からの帰還者たちの想い」 という番組をみました。

 司会は、武田鉄矢さん。ゲストには、宝田明さんと加藤登紀子さん。おふたりとも満州からの引揚者で、宝田さんは博多へ、加藤さんは佐世保に帰還されらそうです。

 昭和のヒット曲の中には、満州からの帰還者の想いがこめられたものがたくさんあります。それらが紹介されました。

 東海林太郎「国境の町」、田端義夫「かえり船」、菊池章子「岸壁の母」「星の流れに」

 ※ 「星の流れ」は、戦争孤児のことを歌ったものです。

 特に、なかにし礼さんさんが作詞した「恋のハレルヤ」と「人形の家」は歌詞もそえて大きく取り上げられていました。

【人形の家の歌詞】

 「顔もみたくない程 あなたに嫌われるなんて 
とても信じられない 愛が消えた今も
ほこりにまみれた人形みたい 愛されて捨てられて 
忘れられた部屋のかたすみ 私はあなたに命をあずけた」

 これは、昭和20年8月14日、日本の外務省が、在外邦人について『出来る限り現地に定着させる』との方針を出したことへの強い思いが込められていると言えます。

 もちろん、懐かしんでいるものもあれば、なかにしさんのように批判的に書いたものもあります。そこは歌それぞれということでいいのですが、いずれにしてもこのように特集されることは、いいことなのでしょう。


 話は変わって、引揚者の話のなかに、「黒パン」がよく出てくるのですが、実際に食べたことがなかったので、ネットで購入してみました。とはいっても、実際抑留者の方々が食べたものと同じということはないと思います。こちらは、全粒粉のライ麦が入ったおいしいパンとなっていますが、実際にはライ麦だけでなく、草なども一緒に入っていたといいますから。とにかく、当時の日本人はどのくらいの人がパンを食べていたかと考えると、味だけの問題ではないと思います。これは、体験のひとつということですが、当時の人たちの苦労をしることにはなりません。