2016年12月25日日曜日

宮澤賢治朗読会

12月24日(土)気がつくともう、クリスマスイブ。
 若狭図書学習センターで開催された「宮沢賢治朗読会」に参加しました。
 朗読は福井市在住の下条英子さん、そして、ピアノが森本菜桜子さんでした。プログラムは、「やまなし」「デューク」「なめとこ山の熊」「雨ニモマケズ」でした。「デューク」だけ江國香織さんの短編です。ピアノの演奏にのせた朗読で、最後には参加者全員で「雨ニモマケズ」を朗読しました。1時間ほどの会でしたが、貴重な体験でした。何人か知った方にもあいました。明日は映画会もあるようです。
 「なめとこ山の熊」。宮沢賢治の「人間は,生き物を食べながら生きている生き物にすぎない」という考え方がよくわかります。「今は死ねないが、二年経ったら小十郎の家の前で死ぬ」と約束し、その通り死んでいる熊。そして、そんな小十郎も、ある日出会った熊に殺されてしまう。熊は本当はお前を殺したくなかったというようなことをいう。こんな小十郎と熊のいのちのやりとりが印象的である。
 氷の玉のような月が空にかかっている下で、熊に殺された小十郎の死骸を囲んで、熊たちが雪にひれ伏したまま、いつまでも動かなかったという最後の場面は、いつまでも心に重く残ります。

0 件のコメント: