2022年6月22日水曜日

望郷の鐘

【今日の1冊】「望郷の鐘 中国残留孤児の父・山本慈昭」和田 登:著 しなのき書房:刊


 「中国残留孤児の父」 山本慈昭さんの伝記。中国残留孤児たちの肉親探しや日本への帰国に生涯を捧げた山本さんの人生を綴った物語。みずからの満州で体験にもふれており、大変参考になりました。実は、たまたま入った「BOOK OFF」でみつけて、 以前観たDVD「山本慈昭 望郷の鐘 満州開拓団の落日」と同じ内容と知り、購入しました。

 山本さんは、昭和22年4月に舞鶴に引き揚げてこられました。最初は、開拓団の仲間たちや子どもたちの記録をまとめ「阿智村・満州死没者名簿」をまとめられました。そして、満州で死んでいった人たちの遺骨を拾い慰霊しなければと思うようになります。しかし、天龍村の平岡ダムの中国人犠牲者のことを知り、また、彼らの骨も野ざらしになったままで供養塔一つ立っていないことを知り、遺骨を収集し、中国に届けに行きます。

 日本人は被害者であると同時に加害者でもあったわけです。このあたりをしっかりと押さえておられることがこの偉業を達成する上で重要であったと考えます。娘さんと再開できて本当によかったですね。

 山本さんについて、もう1冊、「望郷―中国残留孤児の父・山本慈昭 (くもんのノンフィクション・愛のシリーズ) 」という本があることもわかったので、注文しました。こちらにも目をとおしたいと思います。

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