2012年7月25日水曜日

学校を改革する

【今日の本】「学校を改革する」佐藤 学:著 岩波書店:刊

 副題は、「学びの共同体の構想と実践」である。学びの共同体関係の最新図書であり、佐藤さんが、言いたいこと、書きたいことを、すべて書いたという感じです。なんとなく、もやっとしていたことがすっきりとする内容でした。


 はじめに、学校の使命とは、「すべての子どもの学ぶ権利を保障し、その質を高めること」。さらっと書いていますが、重要な指摘です。
 今回、特に、「話し合い」と「学び合い」、「協力学習」と「協同学習」の違いについて、多くの誌面をさいて、書かれています。共同的な学習といいつつ、協力学習になっている、混同している実践が多いからなのでしょう。これは、私のまわりでもたくさん起きており、ずっと違和感を感じたり、指摘をしたりしてきたことでした。
 活発に意見が飛び交う授業では、すでにわかっていることを発表しているだけで、学びがほとんど成立していていないことが多く、結局わからない子どもがほうっておかれることが多いのです。
 さらに、今回の本の中では、「学力の向上は、学びの共同体の学校改革の中心目的ではない。学力向上は、学びの経験の向上の結果であって、目的ではない。」とはっきりと書かれていました。このあたりも、自分の中でしっかりと整理できたように思います。
 この本を元に、自分の実践や研究会に臨む態度を再点検してみましたが、まだまだ不十分であると反省させられました。これからは、どこがよいかった、どこに課題があったというのではなく、「どこで、学びが成立したのか、どこで学びがつまずいたのか、どこに学びの可能性があったのか」を、事実に即して、詳略に省察する」ことが重要であると再確認させられました。
最後に、学習参加について書かれていました。この点は、全く手つかずであり、今後検討していきたいと考えます。というか、内容について十分理解できていないので、もう少し研修します。また一つ、課題がふえました。いつもいつも勉強になります。


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