2022年7月1日金曜日

昭和歌謡にこめられた帰還者の思い

「昭和は輝いていた 満州からの帰還者たちの想い」 という番組をみました。

 司会は、武田鉄矢さん。ゲストには、宝田明さんと加藤登紀子さん。おふたりとも満州からの引揚者で、宝田さんは博多へ、加藤さんは佐世保に帰還されらそうです。

 昭和のヒット曲の中には、満州からの帰還者の想いがこめられたものがたくさんあります。それらが紹介されました。

 東海林太郎「国境の町」、田端義夫「かえり船」、菊池章子「岸壁の母」「星の流れに」

 ※ 「星の流れ」は、戦争孤児のことを歌ったものです。

 特に、なかにし礼さんさんが作詞した「恋のハレルヤ」と「人形の家」は歌詞もそえて大きく取り上げられていました。

【人形の家の歌詞】

 「顔もみたくない程 あなたに嫌われるなんて 
とても信じられない 愛が消えた今も
ほこりにまみれた人形みたい 愛されて捨てられて 
忘れられた部屋のかたすみ 私はあなたに命をあずけた」

 これは、昭和20年8月14日、日本の外務省が、在外邦人について『出来る限り現地に定着させる』との方針を出したことへの強い思いが込められていると言えます。

 もちろん、懐かしんでいるものもあれば、なかにしさんのように批判的に書いたものもあります。そこは歌それぞれということでいいのですが、いずれにしてもこのように特集されることは、いいことなのでしょう。


 話は変わって、引揚者の話のなかに、「黒パン」がよく出てくるのですが、実際に食べたことがなかったので、ネットで購入してみました。とはいっても、実際抑留者の方々が食べたものと同じということはないと思います。こちらは、全粒粉のライ麦が入ったおいしいパンとなっていますが、実際にはライ麦だけでなく、草なども一緒に入っていたといいますから。とにかく、当時の日本人はどのくらいの人がパンを食べていたかと考えると、味だけの問題ではないと思います。これは、体験のひとつということですが、当時の人たちの苦労をしることにはなりません。


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