2017年6月14日水曜日

「ホロコーストの記憶」を歩く

【今日の本】「ホロコーストの記憶」を歩く 石岡史子・岡裕人:著 子供の未来社:刊
 
 今回、この本で新たに知ったことは、「つまずき石」である。ヨーロッパの街を歩くと、石畳に10cm四方の真鍮のプレートが埋め込まれているそうで、それには、名前と生まれた年と死亡した年が刻み込まれているそうである。それは、ホロコーストで犠牲になった人が確かにそこに生きていた証なのである。「市民が憩う公園や道端、観光名所のとなりで、現代アートと見間違うような、ホロコーストの記念碑にであう。こんなふうに負の歴史を記憶することができるんだという発見と希望がある」と著者は述べている。
 先日読んだ「歴史の中の石造物」と共通する部分があるように感じた。戦後70年の月日を経て、ホロコーストの記念碑が、今を生きる人の手によって、つくられている。失われたひとつひとつの命を記憶するものとして、また、虐殺にいたるまでの日常の出来事を伝えるものとして。道ばたに何気なく立っているお地蔵さんのように。つくった人がどんな思いを込めているのかを想像しながら見ることができる心を持ち続けることが大切である。この本は、ホロコーストをめぐる旅のガイドブックでもある。一度、訪ねてみたいものである。せめて何カ所だけでも。
 話は変わりますが、昨日温泉に行ったのですが、ずっと以前に買った温泉用の眼鏡を持って行きました。これが思った以上に便利で、効能など書いた掲示物がしっかりと読むことができることに感激。持って行こうとして、忘れてばかりだったのですが、これからは必ず携行したいと思います。余談ですが。

0 件のコメント: