2023年5月25日木曜日

脳から見るミュージアム

 【今日の1冊】「脳から見るミュージアム アートは人を耕す」中野信子・熊澤弘:著 講談社現代新書:刊


 本を読まないわけではないのですが、こうやってブログをあげるのが面倒で、ついつい投稿は少なくなっています。先日、中野さんの講演をYou Tubeで見る機会があり、大変興味深かったので、図書館で書いて読んだ本です。興味を引かれたのは、ニューヨーク近代美術がやっているVTSというプログラムのことです。全く知らなかったのですが、教育界で大変注目されているそうです。

 たとえば、モネの「睡蓮」を見せて、「あなたには何が見えますか」と、たずねるそうです。モネがその絵を「何才でかいたとか」「どこでかいたか」などは最初は教えないそうです。そうすると、ある子どもが「この池にカエルがいます」と答えたそうです。このように子どもの発想、意見をつぶさないように、決して否定せずに聞いて、考えさせていく。そうすることで、理科の成績があがり、言語能力も高くなることが明らかになったそうです。それだけの引用なので、詳細はわかりませんが、アートというものが認知能力の形成に関わっているといえそうです。ずっと以前に、当時東京大学におられた秋田喜代美先生も講演会で同様なことを仰っていたことを思い出しました。その時は、確か自然のものから色をつくって絵を書かせる実践だったように記憶しています。着眼点は一緒だと思います。

 一般論として、自由に話をさせることは大切であるとはわかりますが、アートの教育の分野には詳しくはないのですが、取り入れてみたいと思いました。

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