2009年3月16日月曜日

つみきのいえ

【今日の本】「つみきのいえ」加藤久仁生:絵 平田研也:文 白泉社刊
 アカデミー賞を受賞した短編映画の絵本。地球温暖化で海面が上昇したむらの話。家が海に沈まないように、積み木を積むように、どんどん上へ上へと建て増しした家に住むおじいさん。ある日さらに建て増ししようとして、大工道具を海底に落としてしまう。潜って探しに行くと、タイムスリップしたように、その時その時のおばあさんとの思い出が蘇る。この絵本を読むと、地球温暖化、環境問題、過疎化、高齢社会など、さまざまな問題がオーバーラップする。学校が統廃合されるなんていうのも同じようなものなのか。そんなことを考えると、なんともさみしい話になるが、この話は違う。春になると家が完成し、そこでうれしそうに暮らすおじいさんの姿がある。いつまでもおばあさんの思い出と共に生きていくおじいさんの姿が。かべの隙間に咲いたタンポポが希望を感じさせてくれる絵本でした。

0 件のコメント: