2010年8月30日月曜日

霧と影

【今日の本】「霧と影」水上勉:著 新潮文庫:刊
 エッセイ以外の水上勉さんの本は初めてかも知れない。心臓の手術をされてからの「電脳暮らし」や不破哲三さんとのエッセイ、また若狭について語ったエッセイ的な本は何冊か読んだことがあるが、本格的な小説をほとんど読んでいなかった。この本を読んだきっかけは、青郷地区を中心に、若狭地方が舞台になっているから。青峨山=青葉山、三本松=三松、青峨小学校=青郷小学校、加斗、本郷、高浜などはそのまま使っておられる。また、笠井早男が死んだ崖は音海の断崖か?そうすると、猿谷郷とは音海?高野?今寺?また、宇田甚平のモデル、神社に言葉を書き残して上京したというモデルは一瀬雷信さんなのか。そして、桑子の話、なんともおどろおどろしい。
 秘境の怪奇、そこに住む人々の宿命、呪われた人生、人間の業が背景に描かれる。そこに、どんどん引き込まれていく。癖になりそうな、妙なおもしろさがある。その土地が生む話とでもいうか。

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

はじめまして

一瀬雷信、のキーワードで検索をしていて行き当たりました。 この方について、どのようなことでも結構です。 他に何かご存知でしょうか?

よろしくお願いいたします。


- 興味ある人 -

Ichise さんのコメント...

こんにちは
僕も「一瀬雷信」のキーワード検索で行き当たったものです。僕は一瀬雷信の孫です(僕自身は生まれた時には亡くなってましたので、直接面識はありませんが)。何か情報交換ができればと思い書き込んでみました。

Ashley さんのコメント...

ええっ!

Ichise さま、はじめまして。 もう、ここを読んでおられないかもしれませんね。 Wagtail101として書き込んだものです。 

実は私は、一瀬雷信さんの遠縁に当たるものです。 京都大学の教授にまでなられた親戚がいるなどとは、子供のころは全然知りませんでした。 教えてもらえなかったは理由は多分、一瀬先生が母方の親戚だったからでしょう。 、母親が父親に遠慮していたのだと思います。 だって父親はしがない労働者でしたから……。 といっても私たちにとっては父ですから、母親の気持ちはわかります。 

私もまだ、しがない小市民ですので、名乗りはあげずにおきます。 では、また書き込みをいただけたらうれしいです。

Ichise さんのコメント...

Ricoさんはじめまして。そうなんですね。ということはRicoさんと僕も遠縁ということですね!
雷信先生(直接面識がないので、身内でもついこのように呼んでしまいます)のことは父親から話を聞いていますが、もっと知りたくてネットを調べたりしています。戦時中は満州に渡っていたので、昔の資料はあまり残っていませんが、戦前に執筆した教科書などは実家に残っています。手に入るかどうかわかりませんが、「二つの国歌」という書籍に満州時代の雷信先生のことについて触れられています。
また情報交換できたらなと思い、書き込みました。

Ashley さんのコメント...

Ichise様:

書き込みありがとうございます。 二つの国家、で検索してみたのですが、見つからず残念です。 

一瀬雷信氏は福井県の西の外れの出身で、京都に出奔される時に、地元の山の中の神社に書き物を奉納され、それが「霧と影」のモデルになったそうです。 小さい頃にそれとなく、「ああ、それは雷信さんのことや」と聞いたことがあります。 もちろん、なんら暗い陰りがあったわけじゃないです。

というわけで、私はその福井県の西のはずれの出身です……。 母親など、雷信様に勉強しろと薦められていたのに、高等女学校の入試に落ちて、その時はがっくりきた、などと思い出話を語っていたのを思い出します。 

いずれにいたしましても、遠いことになります。 私は今は異国で暮していますが、なんとか異国でも生活していけるのは、母方の優秀な人々の遺伝子を多少なりとも受け継いだおかげであるのは間違いなく、感謝の気持ちを忘れずにこれからも生きて生きたいと思います。