2017年7月30日日曜日

篠山で「フィガロの結婚」

兵家県立芸術文化センター
先日書いた「木之本」と同じくらい大好きな町があります。それは、篠山市です。篠山城跡をを中心として、古いものと新しいものがうまく同居している様子が好きです。なんとも落ち着くことができる町で、「日本遺産」に認定されています。日本遺産とは、地域の歴史的魅力や特色を通
じて、我が国の文化・伝統を語るストーリーを認定するものらしく、ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある文化財群を総合的に整備・活用し、国内外に発信することで、地域の活性化を図るものだそうです。篠山市の場合は、「デカンショ節」発祥の地であることをストーリーのテーマとし、平成27年4月に、第1号の「日本遺産」に認定されたそうです。そんな篠山で開催されたオペラ「フィガロの結婚」を見てきました。その話はもう少し後にして。
大正ロマン館
まずは、昼食。現在、丹波篠山ご当地グルメ推進委員会では「篠山まるごと丼」を
提供しています。篠山産の「コシミヒカリ」、「特産肉」、「山芋か旬の野菜」を使うことが条件だそうです。私たちは、「ささ福」さんに行き、猪肉黒豆とろろがのった「まるごと丼ランチ」をいただきました。金額は1,200円(税込)でした。ちなみに、5月10日は、「篠山まるごと丼の日」だそうです。0510で「マルゴト」だそうです。面白いですね。少し時間があったので、「大正ロマン館」に行きました。ここはむかし町役場があったところで、今は、簡単にいうと土産物屋です。玄関に「デカボー」がいました。8月15日、16日には「丹波篠山デカンショ祭」が開催されます。会場に向かう途中で「丹波の里本舗」で栗ソフトクリームを食べました。350円でしたが、値段に見合うだけのことはあり、とても美味しかったです。あとのお餅も美味しそうでした。
 さて、それでは本題の「フィガロの結婚」です。佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2017「フィガロの結婚」です。全4幕で、イタリア語上演・日本語字幕付きです。イタリア語なので、どうなることかと思っていたら、電光掲示板による字幕がでました。少しは内容を知ってはいましたが、やはり字幕は助かりました。演奏の前に開会式?があり、市長さんや佐渡さんの挨拶やお話がありました。その後、少年少女合唱団によるデカンショ節の披露がありました。そこで初めて知ったのですが、10回公演の千秋楽でした。会によって俳優?が違うようで、外国の回と日本人の回が交互にあるようでした。ちなみに、今回は日本人スタッフです。
 感想ですが、4時間があっという間でした。オペラをはじめから最後まで見たのは初めてでした。途中まで見たことはありましたが。休憩が3回会ったので、休憩なしなら3時間弱くらいでしょうか。普通のコンサートとは違いオーケストラが近く感じることができるのもよかったです。前の方の人は本当に間近で見ることができるのですよね。アンコールでフィガロ役の人が与論島の島唄を披露してくださるというおまけ付きであったこともラッキーでした。本当に感動しました。
コンサートのポスター
「フィガロの結婚」は、身分制度・封建制度を批判する戯曲として、皇帝の妹が嫁いでいたフランスでは上映が禁止されていた。当然、ウィーンにおいても同様であったと予想される。従って、このオペラの完成までには、幾多の試練があったと予想される。攻撃的な部分を削除することで、何とか完成にいたったのだと思います。映画「アマデウス」がそのあたりを詳しく(誇張して?)紹介している。映画では、オペラが長すぎて皇帝があくびをする場面があったが、そのためたった9回で公演が中止になったしている。そのときのモーツァルトの怒り様は印象的だ。「完璧なものをつくったのに、なぜ理解できない?観客は馬鹿だ」と。当時、4時間にも及ぶオペラはなかったのでしょう。でも、そのときのサリエリの言葉が印象的です。「あなたは客を買いかぶりすぎている!」全くその通りなのかも知れない。聴衆は天才ではないのである。そのあたりがわかればモーツァルトは苦労しなかったのかも知れません。でも、聴衆にあわせていたら、名曲は生まれなかったのでしょう。ある意味、フリーランスを目指しつつ、フリーランスになりきれなかったモーツァルトの人生そのものともいえるオペラといえるのではないでしょうか。こんな風に時代と闘っていたのでしょう。そんなことを考えなくても、名曲であることには間違いありません。3大オペラ、全部聴いて(見て)みたいものです。是非。目標にしよう。

0 件のコメント: