2009年8月4日火曜日

教師花伝書

【今日の本】
「教師花伝書」佐藤学著 小学館刊
本書は「総合教育技術」に連載された文章をもとに編集されており、雑誌のほうで一度は読んだ内容である。題名のとおり世阿弥の「風姿花伝」の精神にのっとりかかれたもの。教師は「教えの専門家」であると同時に「学びの専門家」でもあり、研修に励まなければならない。文書を引用すると、「教師が授業を『妙花』に洗練させる『心』とその花の『種』となる『態』を学ぶ道筋を提示したい」とのが意図らしい。
「心」とは、思想・哲学であり、「態」とは身体技法・見識である。

特に、気になったところを抜粋する、

 聴くの三つの関係
(1)題材(テキストや資料)のどことつながって発せられているのか・
(2)他の子どものどの発言とつながって発せられているのか。
(3)その子自身のそれ以前の考えや発言とどうつながっているのか。

3つの規範
(1)子ども一人ひとりの尊厳を大切にする。
(2)教材の可能性と発展性を大切にする。
(3)教師としての自らの哲学を大切にすること。

「今こそ教師として「私」を語り、教室の固有の子どもを語り、自らの実践経験を自らの言葉で語ることが重要な時はない。」

「いつも発言する人や声の大きい人で授業実践を創造的に生み出している人に出会ったことはない。授業実践を創造的に推進している人や子どもの可能性を存分に引き出している教師は、どの教師も物静かな教師であり、決して目立とうとしない慎み深い教師である。」

【世阿弥その2】「秘すれば花」
 誰もが創造していなかったことをやって、相手を圧倒すること。誰も知らない自分の芸を秘密に持っていること。
いつでも自分の可能性を広げるための準備として、もう一つの秘する花を持っているだろうかと自問することが必要ということかなあ。




 

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