2014年5月20日火曜日

ふたり

【今日の本】「ふたり」福田隆浩:著 講談社:刊


 ふたりとは、「村井准一」と「小野佳純」。小野佳純は、転校生でクラスの女子からいじめにあっている。准一はそれに気づいてはいるがきちんと注意する勇気はない。そして、2人が仲良くなるきっかけもいじめであった。2人は偶然にも「月森和」のファンであったことで、仲良くなり、そして、月森和が覆面作家で別名義で本を書いていることを知り、2人でそれを突き止めようとすることで、どんどん親しくなっていくというはなしである。話を読んでいくと、佳純の母親はしゃべることができないくて、いじめの対象になるのにはそれも関係しているように思える。准一の両親は離婚しており、今は母親と暮らしている。
  土曜日ごとに調べることを通して、遂に別名義、つまり作家の本名をさがしあてる。そして、「篠山有紀」のサイン会に行き、確かめることになる。このあたりがとてもおもしろい。
  もう一人いじめられている子に藤田さん(名前?)という子がいる。彼女はいじめグループにいやといえず小野さんをいじめている。その彼女が2人の交際がみんなにしれたあと、合唱曲をクラスのみんながふたりに歌わせようとするとき、いっしょに歌うシーンがあるそのことがきっかけでみんなが気づき出すあたりはできすぎな感じもあるが、でも、こうなるといいなあとも思う。しかし、この話にでてくる担任の先生はいつもトラブルがおこりそうなときにいない。全然気づいてもいない。作者は、学校の先生、実態として多いのでしょうか。高学年から中学生に読ませるといいかも知れない。謎解きと同時に2人の関係がどんどん深くなっていくところがいいです。この続きも知りたい気もします。

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