2021年5月20日木曜日

みんなに好かれなくていい

 【今日の1冊】「みんなに好かれなくていい」和田秀樹:著 小学館:刊


 小学館YOUTH BOOKシリーズ「10年後、世界を変える君たちへ」の中の1冊。シリーの紹介には、「中学生・高校生がよりたくましく、より幸せに生きるための新シリーズ。中学生・高校生の『どうしたらいいの?』という迷いや疑問に、樺沢紫苑、鴻上尚史、和田秀樹、鎌田實ほか、ベストセラー作家がやさしく応えます」と書いてあります。「嫌われないよう」にしようとするあまりに自分を見失ってしまうのではなく、「自分の話をきちんと聞いて意見をくれる友人」、「自分に嘘をつかずに何でも打ち明けられる親友」、そんな友だちをひとりでもつくることが大切と教えてくれます。

 「仲良くすることはいいこと」「友だちは多い方がいい」と教えることは、「仲良くできないとダメ」、「友だちが多くないといけない」と思い込ませることにつながっている。実際、みんなに好かれるためには何をどうすればいいのか?テストの点数なら勉強すればよい、スポーツなら練習すればよい。でもみんなに好かれるためには?そうすると、「まわりと話を合わせる」「違うことを言わない」「空気をよむ」ということがおこり、結果として、人間関係に自信が持てなくなってしまう。

 仲間はずれを禁止し、互いを傷つけない、仲良し教育が優先される教育が、調和を乱さない風潮をつくってきたという指摘から学ぶべき点はある。自分の言いたいことが言えずに我慢している子供は多いと思う。授業においても、わからないというとみんなや先生に迷惑をかけてしまうと考えている子供もいるように感じる。でも、本当に仲がよいとは、自分の言いたいことが受け入れられることであるのに。「わかりましたか?」といわれるものね。

 多少、極端な?感じもしますが、ほかのシリーズも読んでみたい。さまざまな立場の意見を聞くことは大切です。10年後の世界なんて未知なんですから。その10年後をつくるのは子供たちなんだから。

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