2021年5月5日水曜日

女たちのシベリア抑留

 【今日の1冊】

「女たちのシベリア抑留」小柳ちひろ:著 文藝春秋:刊


 作者である小柳ちひろさんは、ドキュメンタリーディレクター。同名のドキュメンタリーの制作者であります。2008年からNHKの「戦争証言プロジェクト」に参加し、「引き裂かれた歳月 証言記録 シベリア抑留」、「三つの名を生きた兵士たち~台湾先住民“高砂族”の20世紀」、「原爆救護 被爆した兵士の歳月」などの作品を製作されているそうです。さらに、戦争の時代に生きた女性たちに焦点を当てて、「女たちのシベリア抑留」、「NHKスペシャル 女たちの太平洋戦争 従軍看護婦 激戦地の記録」、「サハリン残留 家族の歳月」、「戦争花嫁たちのアメリカ」(2019年)を製作されているそうです。

 「シベリア抑留」について関心があって読み始めた本ですが、抑留者の中に女性の捕虜が存在していたことをはじめて知りました。従軍看護婦や軍属、電話交換手、開拓団の民間女性、そして受刑者の女性たちがシベリアに送られていたのでした。シベリア抑留や引揚を学習する際の新たな視点をいただいた気がします。大変参考になりました。

 ディレクターとして、ご自分で取材されたことをもとにした内容なので、大変説得力があり、読み応えのあるものでした。取材に答えてくださった女性の皆様にも感謝したい。長文なのでやっと読むことができたわけですが、たくさんの番組を制作されているので、それらも是非見てみたいと思いました。

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