2021年5月26日水曜日

歴史のIF、本物のおとな論

 【今日の1冊】

「歴史のIF」本郷和人:著 扶桑社新書:刊


 「歴史にIFはない」と教えられてきた。でも、「もし、あのときと、こうだったら」と考えることは楽しい。IFを「もし」ではなく、「たとえば」と置き換えてみると、そして、歴史の転換点で、「たとえば」と考えていたら、違った進み方があったのではないかと思うことはたくさんある。例えば、太平洋戦争に突き進んでいった当時の指導者たちが、「もし」「たとえば」と考えることができていたら?また、そういう雰囲気があったら、歴史は大きく変わっていたかもしれない。そういう思考停止の状態に追い込まれていたのであろう。そう考えると、「IF」と考えることはとても重要なことだと言える。

 「もしも、鳥居元忠が、島津義弘に『かたじけない』と頭を下げていたら…」は、おもしろいと思う。どっちつかずの薩摩は結果的に西軍についてしまうわけだが、もし、東軍についていたら、明治維新はどうなっていただろう。まあ、少ない軍勢でありましたから、討ち死にしていたと思いますが。でも?


「本物のおとな論」外山滋比古:著 海竜社:刊


 「○○するのが大人」というように、作者の考えが続いていく。最近は、大人が少なくなったのではないか?。教育が普及し、高等教育を受ける人が多くなっているのに?と、しかし、それは当たり前である、学校にいても生活経験はふえないからであると?つまり、それは当然と作者はいう。家庭が豊かになり、大事に育てられるので、ここにも生活経験はない。

 問題は、中年になっても大人になれない人たちが少なくないことだと作者は言う。それが現実になっていると。手おくれになる前に、大人になる努力をはじめなくてはならないが、多くがうっかりしていると。自分はどうなんだろう。

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