2022年3月19日土曜日

スーホの白い馬

 【今日の1冊】日本人が知らない「スーホの白い馬」の真実 ミンガド・ボラグ:著 扶桑社新書:刊

 「スーホの白い馬」は、光村図書版 小学校国語科2年生の教科書に掲載されている物語である。長く親しまれた作品であるが、この本を読むまで、モンゴルの民話であり、馬頭琴の名前の由来であるかのように理解してきた。スーホが大事にかわいがっていた白馬が王様に殺され、その白馬の骨で作ったというのが馬頭琴であるという物語を読み、遠いモンゴルという国に思いをはせていたように思う。また、読解教材としてだけでなく、モンゴルについて理解するための国際理解教育の教材のように扱って来たように思う。しかし、モンゴルに「スーホの白い馬」とういう話はなく、モンゴル人も知らない民話らしい。さらに、モンゴル人は、馬を弓で殺したりしないとか、大会の賞品に女性をかけることもしないそうである。詳しく調べると、中国に「馬頭琴」という話があるらしい。あまり詳しく述べることは控えるが、物語の背景やその矛盾点、そして、物語にかかれているモンゴルのことを正しく理解することが必要であることに気づかされた。もちろん文学作品として読む上では、フィクションと考えればそれでいいかの知れませんが、この作品を扱う課程でモンゴルについて誤った理解をさせないことが重要です。

 「スーホの白い馬」の不自然な点などについて興味がある方は、是非本書をお読みください。

0 件のコメント: