2012年1月16日月曜日

三つのお願い 授業記録2

【「三つのお願い」の感想文】

1 指導の重点
以前に書いたように、本単元のゴールは感想文を書くことであります。感想文について、多くの子どもたちは苦手意識を持っています。苦手というより嫌いという方が正確かも知れません。そこで、感想文を書かせるにあたり、重点として考えたことを書きます。

1点目は、苦手意識の克服です。「ひとつの花」の学習で本の帯をつくることを提示したとき、「すぐやりたい」「おもしろそうだからやってみたい」と思わせたのと同じように興味を持たせたいと考えました。最低でも「それなら何とか書けるかなあ」と思わせたいと思いました。
 2つ目は、夢について考えさせることです。キャリア教育の重要性が指摘されており、常々子どもたちに夢を持たせることは重要であると考えていました。そして、その場合の夢の内容・中身についても指導が必要ではないかと。つまり、自分のためだけの夢はつまらない、人の笑顔や喜びが自分の幸せと感じられるような夢をもったほしいと。この教材を読んだとき、いい友だちがいなくなって淋しいと思い、ビクターを呼び戻すために三つ目のお願いを使う場面に感動することができるなら、そのことを考えさせることができるのではないかと考えたのです。この夢や仕事に対する考え方は、WATAMIの会長である渡邉美樹氏の著作の影響を受けています。また、夢や仲間については、アニメ「ONE PIECE」から学ぶことがたくさんありました。
3つ目に、最後の場面に関係しますが、2人の関係、とりわけビクターの行動から、友だちの大切さ、すばらしさについても考えさせることです。

実際、初発の感想を読んでみると、ほとんどの児童が3つ目のお願いがかなったことや仲直りのためにお願いをつかったことに感動するものが多く、「なんとかやれそう」と手応えを感じました。また、夢についての具体的に書くように促したところ、「よし書いてみよう」と意欲的に取り組む児童が多かったように感じました。くわしくは、感想文を紹介するところで書きますが、思った以上に集中して取り組めました。このあたりは、担任の先生の日ごろの指導の成果なのでしょうね。感謝!

2 感想文の書き方
次に、指導計画ですが、本文を読んでいくことと感想文を書くことのつながりに留意しました。読みは読み、感想文は感想文で別物というのではなく、読み取りの過程で考えたり、書いたものを再構成することで感想文が書けるように工夫しました。今年度の重点はゴールの活動を設定しつながりを意識して取り組むことなのですが、実際には、一つ一つの活動がどうゴールの活動につながっているのか明確ではないような気がしています。このあたりについての自分なりの解答のつもりで計画したつもりですが、時間的な制約もあり、また安易すぎる気も十分とは言えなかったようです。児童に提示した感想文の書き方は次のようなものです。

《読書感想文を書こう》
【初め】
わたしが、「三つのお願い」を読んで、一番印象に残ったところは三つ目のお願い  でした。その理由は、……です。
【中】
話を読む前に、ゼノビアと同じように、かなえてほしいお願いを書いてみました。
それは、○○○、○○○、○○○でした。
しかし、このお話を読んで、お願いや夢は、○○だということがわかりました。
そこで、もう一度、将来の夢について考えました。それは、○○です。(夢について書  く。)
【終わり】
読む前と読んだ後の自分について書く。
物語を読んで、また、夢について考えて、自分の考え方がどう変わったかを書く。

例えば、【初め】部分は、初発の感想で書かせてあります。【中】の「話を読む前のお願い」も初発の感想で書いておいたものをそのまま使います。それ以外は、感想を書く際に、他の資料も使いながら書かせたわけですが、以前に書いたものや考えたことをそのまま使わせることで、一から感想文を書かなくてすんだため、児童の感想文に対する抵抗感もやわらいだと感じます。結果、分量の普段より少しだけ?増えたようにも感じます。

ということで、具体的な感想文を紹介したいのですが、文が長くなったことと時刻が遅くなったので、もう一回書くことにして、今日は終わります。では、また、明日??


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