2021年1月30日土曜日

春日局

 【今日の1冊】

「春日局」早乙女貢:原作 横山まさみち:作画 ゴマグック株式会社:刊 Kindle版


 春日局。父は、明智光秀の重臣 斉藤利三、夫は、小早川秀秋の家臣 稲葉正成。後に、徳川家光の乳母となり、大奥の仕組みを完成させた女性であることは理解していた。特に、家光を世継ぎとするために尽力した人物という印象が強かった。しかし、謀反人?、明智光秀の重臣の子である春日局が、その身の上を承知の上で、なぜ将軍の乳母に採用されたのかなど、いくつか疑問な点もあったが、このマンガを読んで、そのあたりのことが理解できた。さらに、このマンガには新たな設定もあり、楽しく読ませていただいた。

 なぜ、乳母になれたのか?一般的には、謀反人の重臣の子と思われがちだが、徳川家康にとっては、明智光秀の謀反によって結果として、自分に天下が舞い込んできたわけだし、関ヶ原の合戦で小早川秀秋の寝返りに導いたのが夫、稲葉正成であるわけだから、いわば両者のおかげで天下を取れたようなものであり、家康が認めたのも納得です。ただし、秀忠の正室にとっては、伯父織田信長の敵であり、その辺りが家督をめっぐての確執につながるわけですが。

 新たな視点というか、新たな発見として、このマンガは、明智光秀が天海和尚と名をかえて、生き残っていて、春日局とともに徳川家のために、そして、豊臣家滅亡のために尽力するという展開になっている。山﨑の合戦の仇を返す展開であり、おもしろい。

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